国連事務総長に書簡・在外公館がＸで・ＩＡＥＡ理事会で…高市首相発言巡り中国が「戦狼外交」強化

　【北京＝吉永亜希子、瀋陽＝出水翔太朗】台湾有事が日本の「存立危機事態」になり得るとした高市首相の国会答弁に反発を強める中国は、国際機関や在外公館を通して中国の主張を広め、対日圧力をかける「 戦狼せんろう 外交」を強化している。

　中国国連代表部によると、 傅聡フーツォン ・国連大使は２１日、首相答弁に対する中国の立場を説明した書簡をアントニオ・グテレス事務総長に送った。書簡では「戦後国際秩序を破壊し、日本の侵略を受けたアジア諸国への公然たる挑発」だと主張。「日本が台湾海峡に武力介入をするなら、自衛権を行使し、断固として領土の一体性を守る」と反発した。

　中国の在外公館はＸ（旧ツイッター）を使い、英語や現地の言葉で発信を重ねる。在フィリピン大使館は高市首相が平和憲法を燃やし、軍国主義の復活を想起させるようなイラストを投稿。在オーストラリア大使館は、「西欧は第２次世界大戦の教訓を忘れてはならない」などと訴える官製メディアの司会者の映像を共有した。

　日本の非核三原則が揺らいでいるとする宣伝工作も始まった。

　中国の国際原子力機関（ＩＡＥＡ）常駐代表は２１日の理事会で、「日本は民生用の需要をはるかに超えるプルトニウムを製造・貯蔵してきた」と主張した。

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