台湾巡るトランプ米大統領の助言報道は事実ではない－日本政府が否定

トランプ米大統領が台湾に関連して高市早苗首相に助言したとされる報道について、日本政府は事実に基づいたものではないと否定した。27日、匿名を条件に政府関係者がブルームバーグに明らかにした。

　　米紙ウォールストリート・ジャーナル（WSJ）は、25日に行われた日米首脳電話会談で、トランプ大統領が高市首相に対し、台湾を巡る発言の語調を和らげるよう助言したと、事情に詳しい関係者からの情報を基に報じた。同紙によると、助言は控えめなもので、高市氏に発言の撤回を求めるような圧力はなかったという。

U.S. President Trump Visits USS George Washington In Japan
トランプ米大統領と高市首相（10月28日）Source: Getty Images AsiaPac
　　木原稔官房長官は27日午前の会見で、WSJの報道内容に関する質問に対し、日米首脳電話会談の詳細については外交上のやり取りであるとして回答を控えていた。その上で、トランプ大統領から「極めて親しい友人であり、いつでも電話をしてきてほしい」との発言があったと改めて述べた。

　　高市首相は25日の会談後、トランプ大統領から中国の習近平国家主席との電話会談で、最近の米中関係について説明があったとし、「日米間の緊密な連携を確認できた」と述べた。日米同盟の強化、インド太平洋地域が直面する情勢や諸課題について幅広く意見交換を行ったとしながらも、詳細については明らかにしなかった。

　　高市首相は7日の国会答弁で、台湾有事への対応について、戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、存立危機事態になりうるケースだと考えると発言。その後、撤回を要求する中国との関係が急速に悪化している。26日には、事例を「具体的に言及したいとは思わなかった」と釈明していた。