ニュー・シネマ・パラダイス「トト少年」熱演の陰で抱えた不安、眼鏡をかけても台本の字が読めない…13年引きこもりも
日本では1989年12月に公開された映画「ニュー・シネマ・パラダイス」。終戦直後のシチリア島にある小さな映画館を舞台に、映写技師と少年トトが紡ぐ友情の物語だ。火災で失明した技師を継いだトトはやがて、映画監督になる夢を追って故郷を去る――。
世界的ヒットを遂げた映画の中でトトの少年時代を演じたサルバトーレ・カシオさん(46)=撮影当時8歳=は、実はこの頃すでに、ある問題を抱えていた。分厚い眼鏡をかけないと前がよく見えないし、眼鏡をかけても台本の字が読みにくい。本当に視力が弱いだけなのか。「なにかおかしい」。幼心に不安がくすぶり始めていた。(ローマ支局 倉茂由美子)
(中略)
映画は世界中で大ヒットした。カンヌ国際映画祭や米アカデミー賞などで数々の賞を獲得し、自らも英国アカデミー賞で助演男優賞に選ばれて時の人に。映画出演の依頼が殺到し、日本や米国など国外のイベントでも引っ張りだことなった。一見どこにでもいそうなサッカー好きの少年は、小さな町を初めて出て、世界中を飛び回った。
その陰で、目の違和感は強まっていた。夕方になって周囲が暗くなると、サッカーボールが消えてしまう。眼鏡をかけても映画の台本を読むことができず、父親に読み上げてもらってセリフを覚えた。
原因が判明したのは、11歳の時。検査の末、ついに医師から「網膜色素変性症」と病名を告げられた。
「どういう意味でしょうか」と困惑する両親に、医師は「時がたつにつれ視力を失います」と率直に答えた。長い沈黙が続く。遺伝性の疾患だが両親に病気はなく、2人が持つ特定の遺伝子の組み合わせが原因だという。3人兄弟のうち、3歳上の兄カルメーロさん(49)も同じ病気だった。
両親は自責の念に駆られて泣いた。しかし、自分は「まだ見えるし、そのうちきっと治療方法が見つかる」と、何とか不安を押し殺そうとした。映画の仕事は続けたい。だから両親は息子のためにと、病気を世間に隠し通した。
この時から、人生の栄光だった「ニュー・シネマ・パラダイス」は、自身を苦しめる存在となっていった。「みんな、映画のトトを自分に求めている。常に元気で無邪気な少年を演じなければ」。目の不安や恐怖を抱えながら、イメージを守ろうと周囲に笑顔を振りまいた。輝かしい成功と誰にも言えない秘密の病。自分が押し潰されてしまいそうに感じていた。
(中略)
引きこもり生活は、気づけば13年がたっていた。視力はますます悪化し、明暗と光の方向が感じられるだけ。悲しみと絶望。ストレスで心のバランスを崩し、やがて体にも異変が出た。35歳のある日、自宅で急に体が震えて呼吸ができなくなった。パニック発作を起こしたのだ。
搬送先の病院で鎮静剤を処方されると、「このまま薬を飲み続けるなんて、人生終わりだ」と恐怖がこみ上げてきた。このどん底から何とかはい上がりたい。はい上がるには今が最後のチャンスかもしれない……。
読売新聞 2025/12/15 10:00
https://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/20251213-GYT1T00280/
引用元: ・ニュー・シネマ・パラダイス「トト少年」熱演の陰で抱えた不安、眼鏡をかけても台本の字が読めない…13年引きこもりも [おっさん友の会★]
一番好きな映画だわ
監督が故郷で女と寝るとこはキングオブ蛇足
12/15(月)14:00~14:30 NHK Eテレ
「ニュー・シネマ・パラダイス」など数々の映画音楽を手がけた
イタリアの作曲家エンニオ・モリコーネを特集。
しかでなかったなw
あの子、引きこもりになってたんけ
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