【核保有発言】共産・田村委員長「危機を煽り、ミサイルどんどん、行きつく先が核兵器。タガが外れている」

　日本共産党の田村智子委員長は19日、この発言を激しく批判し、官邸関係者を「罷免すべき」と述べた。

　記者が「官邸の幹部が「核保有すべき」と発言したことについて、受け止めを教えてください」と質問。

　田村委員長は「唯一の戦争被爆国の政府高官から官邸の幹部から、核兵器の保有を日本もすべきだという発言が飛び出したということは断じて許されないものです。この間、高市首相の姿勢も問われてきました。非核三原則の見直しということを述べていた。そのことを総理になってから予算委員会で追及されても『非核三原則を堅持する』ということを明言していないわけですよね。そういうもとでの政府高官の発言になっているということだと思います。ですからこの政府高官を罷免するとともに、高市首相が非核三原則を国是として厳格に守りますということを表明すべきだと、このことを求めていきたい」と答えた。

　続けて「今年は被爆80年なんですね。日本がやはり唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に参加をということを、被爆者の皆さんも世界の多くの国々も核兵器の廃止を求めて運動してきた人たちは強く願ってきた。その時に官邸の中から核兵器禁止条約を真っ向から踏みにじる発言が飛び出したということにもなります。世界が求めているのは、核兵器廃絶への流れをいかに作っていくのか。ロシアなどが核の威嚇を行っているときに、それをやめさせる力をどう広げていくのかが問われている中での発言ということもきわめて重大だ」と述べた。

　さらに「この間政府も核兵器廃絶を口にしている。それならば罷免は絶対にやるべきです。ただちに。そして非核三原則の遵守、核兵器廃絶に向けた日本としての努力を世界に向けて表明しなければ、日本のあり方が変わったのかと世界から見られかねない。それぐらい危険な発言が行われたと指摘しておきたい」と語った。

　続けて記者が「日中関係が悪化している中、こういった発言が日本の外交に及ぼす影響についてお考えは？」と質問。

　田村委員長は「高市首相が非核三原則を国是として堅持すると言わないわけですよね。これが世界に対して大変、戦争被爆国の態度が変わるのか、あり方が変わるのかというメッセージになってしまっている。台湾発言は、この間私たちが批判してきたとおり、米中の武力衝突が台湾海峡でありうれば存立危機事態、つまり自衛隊が中国との戦争があり得るという発言になってしまっているので、戦争しないという、憲法9条を持つ国のあり方が変わってしまっているのかと見られているのではと危惧している。加えてこの間の小泉防衛大臣の、これまでやったことのない特定の国、中国を名指しして危険をあおるという、これら全てが高市政権の危険性、世界に対して非常によくないメッセージを与えているととらえている。ただしていきたい」と答えた。

　別の記者が「発言の撤回を求める？」と聞くと、即座に「罷免ですよ。政府高官の罷免です」と答え、「過去にも小渕政権の時ですか、防衛次官が核武装の発言をして罷免されているんです、ただちに。これ罷免すべきです。きっぱりと罷免すべきです」と述べた。

　さらに別の記者が「核保有発言、官邸幹部は個人的な見解ということで発言しているが、この発言が出てくる背景に高市総理、トップの考え方が影響していると考えるか？」と質問。

　田村委員長は「個人的な発言では絶対に許されない。当然官邸の幹部として取材に答えている。個人的な見解なんていうのが許されるはずがない。タガが外れているんですよ高市政権は。非核三原則を堅持すると言わない。これもタガが外れている。大軍拡を我々が批判すれば、私は“ミサイル列島”と批判したわけですけど、それは外国に届く長射程ミサイルをどんどん置くというのはかつてなかった、日本では。それを批判すると、それをやって何が悪いかと開き直り、居直りですよね。それで、これもやったことがない中国の名指しの批判と。もう危険を煽り、危機を煽り、不安に陥れ、ミサイルどんどん、長射程ミサイル、持ったことのないミサイルどんどん持ちますよ相手が持っているんだから、この行きつく先が核兵器ということになりかねない発言が、すでに政権の中から出てきていた国会論戦の中で。これはたまたまではない、偶然ではない、高市政権のもとで出てきた、あり得ないような危険性、許されない動きだとみています」と力強く訴えた

12/19(金) 18:45 ABEMA TIMES
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab755d85787849c2b6ecc0e18e61ba40d79bbac5