【👹】「子どもを怖がらせる鬼」ではなかった──ナマハゲの本当の役割、子育てや地域を支える「来訪神」の今…秋田男鹿
「怠け者はいねが。泣く子はいねが」
大晦日の夜、異形の姿で家々を巡る「ナマハゲ」。秋田県の男鹿半島に伝わる伝統行事で、「子どもを怖がらせる恐ろしい鬼のような存在」というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、ナマハゲは鬼ではなく、実は、神様として新年の祝福をもたらすという大切な役割を担ってきました。
令和の時代にあって、ナマハゲはどのような存在なのでしょうか。
秋田県男鹿市生まれで、幼いころからナマハゲに親しんできたという、男鹿市「なまはげ館」の解説員、太田忠さんに聞きました。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
●山の神が姿を変えて大晦日に訪れる
「ナマハゲは、子どもを泣かせるための存在ではありません」
そう話す太田さん。ナマハゲの役割について、次のように説明します。
「ナマハゲは、山の神が具象化した姿であり、地域の人々の生活や暮らしを守る来訪神です。大晦日の夜に里を訪れ、一年の災いや厄を払い、新年の祝福を与え、人間の怠惰を戒めて歩きます。
男鹿の人々にとっては、ナマハゲは生活を見守る存在であり、心の拠り所です。
その背景には『お山の信仰』が関わっていると言われます。山は農業では水を、漁業では漁場や天候の手がかりを与えてくれる、暮らしに欠かせない存在でした」
メディアで描かれるナマハゲは、家庭を訪れて子どもを泣かせる存在として強調されがちですが、太田さんは、ナマハゲの「怖さ」について「恐怖を与えること自体が目的ではない」と語ります。
「ナマハゲの怖さは、人間の道徳教育につながっています。子どもにはしつけや教育を、大人には勤労の教えがあります。
ですから、環境や価値観が変わっても、ナマハゲの教えが変化することはありません。むしろ、時代が変われば変わるほど必要な行事だと思います」
●ナマハゲの恐ろしさに込められた「願い」
家庭を巡る行事だからこそ、令和の時代にあって心がけていることはあるのでしょうか。
「昔は、ナマハゲが家の主人と問答を交わし、その年の作柄や家族の様子を聞いたうえで、新年の祝福を約束して帰るのが本来の姿でした。家庭にとっては、大きな励みになってきたと思います。
今は住宅事情の変化や、受け入れる側の意識の違いもあり、『見せるためのナマハゲ』になっている面があります。
たとえば、ナマハゲは家中のケガレを払うために、戸を激しく叩いたりしますが、今は家が壊れることを避けたり、掃除や料理の負担を理由に、訪問を断る家庭が増えているのも現実です」
だからこそ、太田さんは「行事の意味を丁寧に伝えていくことが重要」と話します。とくに、子どもにとって単なる恐怖体験にしないため、意識していることがあるといいます。
「ナマハゲの『怖さ』は、『立派な大人になってほしい』という願いから生まれたものです。『みんなと仲良くすること』や『いじめはダメ』といったことを伝えています。
男鹿半島で暮らす人たちは、子どもの頃にナマハゲの怖さを知り、大人になってからは自らナマハゲに扮し、家庭を持ってからは迎え入れる立場になります。そうやって、ナマハゲの必要性を知っていきます。
地域の中では、『何を伝える行事なのか』『子どもにどう向き合うのか』という共通理解を持つことが大切だと考えています」
●課題は担い手不足、伝統をどう守るか
太田さんによると、現在、ナマハゲ行事は、男鹿半島内の約140地区のうち、およそ70地区でおこなわれているそうです。
多くの地区では、「先立ち」「ナマハゲ2人」「カマスかつぎ」の4人1組で、交代しながら数班に分かれて家々を巡るといいます。全体では、数百人規模のナマハゲが参加しているという、地域にとってなくてはならない行事です。
しかし、課題もあります。
「最大の課題は担い手不足です。人口減少で若者が減り、年配者や地区役員がナマハゲ役を務めている地域もあります。
また、『子どもが怖がる』『料理作りが大変』『家が汚れる』といった理由から、受け入れを断る家庭が増えていることも、保存伝承の難しさにつながっています」
ナマハゲを守り、伝えていくことの背景には、何があるのでしょう(略)
※全文はソースで
https://www.bengo4.com/c_18/n_19837/
引用元: ・【👹】「子どもを怖がらせる鬼」ではなかった──ナマハゲの本当の役割、子育てや地域を支える「来訪神」の今…秋田男鹿 [少考さん★]
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