【ネットの広告費はテレビの2.5倍】テレビ局は斜陽となった、億単位の巨額広告費がネットに雪崩をうち、社会的影響力さえ失った・・・決定的な逆転が起こった、WBC放映権をNetflixが独占し地上波の中継は行われない
次世代メディア研究所代表の鈴木祐司さんは「テレビ局はインターネットのポテンシャルを読み間違えた。だが、その出遅れを一挙に挽回し、反転攻勢する方法は残されている」という――。
■ネットの広告費はテレビの2.5倍
2025年は、ラジオ、テレビと続いた「放送100年」の記念すべき1年となるはずだった。ところが直近30年でのインターネットの進化に放送は乗り遅れ、情報伝達のシステムとしても質量ともに周回遅れの感が否めない。
その2025年に、生成AIが一挙に進化し、ネット以来の大きな影響を真正面から受けている。だが、生成AIとの向きあい方次第では、放送も乾坤一擲の大逆転が可能だ。
電通が毎年とりまとめている「日本の広告費」によれば、今や総広告費のほぼ半分をネット広告費が占めた。しかも地上波テレビを抜いて4年で、その規模は倍となり、間もなく2.5倍に達する勢いと、急伸ぶりは衰えを知らない。
もしネット広告費が今後も同様の成長を続けたらどうなるのか。日本の広告費の総額は、毎年2000~3000億円しか伸びていない。
これに対してネット広告費は、それを上回る金額で伸びて来た。このままだと、金額の大きいテレビ広告費をガンガン削り取り始める事態は容易に想像できる。
前提にはメディア利用の実態がある。例えば博報堂「メディア定点調査」によれば、人々のメディア総接触時間のマスコミとネットの比率は、2006年には4対1とマスコミが圧倒的だったが、20年の間に1対2に完全に逆転した。
テレビがかつては断トツの主役だったが、今やスマホに取って代わられた格好だ。
個別のサービスで比較しても、ネットの優勢は揺るぎない。電通の調べでは、テレビの中の首位を疾走するのは日テレだ。ただし同局を含めた東京キー局より、YouTubeが49歳以下のDAU(1日に5分以上の利用者数)では2倍以上となっている。
全年齢でみるとテレビのいくつかのチャンネルが依然上だが、あと3年前後で逆転されるほどの勢いの差となっている。もはや近未来の勢力図がどうなるかは子供にも一目瞭然だろう。
ネットでは、他にも躍進するサイトが少なくない。TVer、Spotify、Netflix、ABAMAなどが右肩上がりを続けている。テレビの全チャンネルが右肩下がりの放送に対して、次々と人気サービスが登場するインターネットとの差は開くばかりだ。
■社会への影響力でも逆転
量の変化は質にも及ぶ。例えば総務省の調査データでは、「情報源としての重要度」でテレビは10年前と比べ11ポイント落ちた。また「いち早く世の中の出来事や動きを知る」ために「最も利用した」との回答でも、テレビは36.1%でインターネットの61.0%に大きく後れを取った。
2025年は決定的な逆転が起こった。2026年春のWBC放映権をNetflixが独占し、地上波テレビの中継は行われない。また今年の6月のサッカーW杯北中米大会では日本戦こそ地上波テレビが中継するが、全104試合はDAZNとなった。
いよいよインターネットに死角がなくなり、地上波テレビ中継が一部残るとしても、ネットファーストの時代になっていく。
要は経済の論理で人気コンテンツを地上波テレビが権利を買えなくなり、ネット企業が押さえてしまう時代に移行したのである。
ITは技術的進化を急速に果たし、テレビ放送ができることは何でもでき、さらにテレビのできない部分までカバーし、事業としても優位に立とうとしているのである。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a56d90d0e6b63a02ee5f64f1c0f4b0bf28eede7d
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