【本】「不法滞在者ゼロ」は最優先課題か?…実はすでに減っていた、“帰れないだけ”の外国人たち(池尾 伸一/東京新聞編集委員)
2026.01.07
池尾 伸一
ジャーナリスト/東京新聞編集委員
※プロフィール(記事一覧)
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――「この国に生まれたことが、罪ですか?」
日本で生まれ、日本語しか知らずに育ちながら、在留資格を持たず生きる子どもたちがいる。国民健康保険にも入れず、進学や就労の道も閉ざされ、強制送還の不安と隣り合わせの日々を送る。
子どもたちを物語の主役とした書籍『仮放免の子どもたち』では、データや政策を整理したコラムも収録し、外国人政策の「今」を描き出す。
*本記事は、池尾 伸一『仮放免の子どもたち 「日本人ファースト」の標的』(26年1月22日発売)の一部を抜粋・編集しています。
法務省による「不法滞在者ゼロプラン」
「ルールを守らない外国人についての報道がなされるなど国民の間で不安が高まっており、そのような外国人の速やかな送還が強く求められている」。2025年5月23日に法務省が公表した、強制送還を強化する「不法滞在者ゼロプラン」について、法務相の鈴木馨祐(当時)は記者会見で力をこめた。
日弁連やNPOなどは一斉に強く反対する声明を発表した。しかし、入管庁はすぐにプランの実行に着手し、在留資格のない外国人に出頭を求め、次々と母国に強制送還していった。家族ごとに送還されたり、父親だけが切り離されて送還されたりするなど、過酷な事例も続出した。
高市早苗も自民党総裁選の演説会で「経済的な動機できて難民を主張する方にはきちんとお帰りいただく。不法滞在者にも厳格に法律を守ってもらう」と強調し、首相就任後はゼロプランの推進を外国人政策の最優先課題に掲げた。
超過滞在者は減少傾向に
高市や鈴木の言うように「不法滞在者」の削減こそが、入管行政で最優先されるべき課題なのだろうか。不法滞在者は、入管庁の定義によると、在留資格を失っても日本にとどまっている「超過滞在者」(入管用語では「不法残留者」)と、偽名で密入国してきた「不法入国者」(数は不明)をあわせたものだ。
法務省の言いぶりだと全体の数は増えている印象を受ける。だが、実際には大部分を占める超過滞在者は減少傾向にある。最も多かったのは1993年の約29万8000人。1995年から生産年齢人口が減少に転じる中で、当時の日本は超過滞在者を労働力として活用しており、事実上容認していた。90年代は25万人以上の水準が続いたが、その後ブラジル、ペルーからの日系人の受け入れ制度、技能実習制度などが作られるにつれ、政府は超過滞在者の取り締まりを厳しくしていった。2000年代に入ると、2001年の米同時多発テロ(9・11)をきっかけに各国とも非正規滞在者の管理を強化し、2003年11月に政府は「不法滞在者5年半減政策」を打ち出した。だがこの際は、退出を迫るだけでなく、在留資格を付与して非正規滞在者を正規滞在者にする方法も増やして、超過滞在者を減らした。こうした結果、超過滞在者は2010年には10万人を割り込み、2020年代は7万人前後で推移している。2025年1月現在は約7万4000人だ。
強調される「犯罪者」のイメージは適切か?
入管庁は非正規滞在者を「不法滞在者」と呼び、記者会見などでも人々に不安を与える存在、「犯罪者」のイメージを強調する。しかし、その実態に分け入ると、見え方は違ってくるかもしれない。
超過滞在者は2024年1月時点で約7万9000人だった。だが、入管庁に退去を促されると大半の人は自主的に帰国している。強制的に退去を命じる「退去強制令書」まで出された人は、24年末時点で3123人だ(中略)
それでも日本にとどまろうとする人について、国士舘大学教授の鈴木江理子は「『帰らない』のではなく『帰れない』という切実な事情を抱えている人が多い」と分析する。母国政府から迫害され、日本に逃れてきた難民申請者の多くはそうした状況にある。
(※外国人当事者及び家族は注記のない限り仮名。敬称略。当事者らの年齢は取材時点。)
『日本だけ難民認定率2.2%という異常値…「不法滞在者」が生まれる仕組みとは』へ続く。
※全文はソースで。
https://gendai.media/articles/-/162329
引用元: ・【本】「不法滞在者ゼロ」は最優先課題か?…実はすでに減っていた、“帰れないだけ”の外国人たち(池尾 伸一/東京新聞編集委員) [少考さん★]
帰れなくて困ってんなら帰国させてあげようよ
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