https://news.yahoo.co.jp/articles/44e3a80bc5fdc42bb669578bed9087e4a0e4a248
引用元: ・高市首相「手痛ドタキャン騒動」を現役医師(東京科学大学医学部臨床教授)が検証した結果😨 [718678614]
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高市早苗首相が、NHK「日曜討論」の出演を直前にキャンセルした。「手を痛めた」から二転三転する説明に「ズル休み」を疑う声が上がっている。実際のところ、どうなのか。医師の木村知さんが、ことの経緯を医学的知見から検証する――。
【写真をみる】演説する高市早苗首相(自民党総裁)。5本の指すべてにテーピングが巻かれている=2026年2月3日、埼玉県
■「日曜討論」当日朝に出演キャンセル
高市首相が「手の痛み」を理由に、投開票日前最後の日曜日に放送されたNHK「日曜討論」を当日朝に突然キャンセルし欠席したことが、大きな問題となっています。
「円安ホクホク発言」による円安加速と物価高対策との整合性や、週刊誌が報じた「裏帳簿疑惑」からの追及を避けるための欠席ではなかったのかと見る向きがある一方で、一部の医師らからは「持病のリウマチの痛みが出たなら欠席はやむを得ない。痛みをおして出演しろというのは、リウマチ患者さんの痛みを理解せずただ揶揄する暴論だ」との意見も噴出。
SNSでは、この「騒動」について今なお議論が沸騰し続けている状況です。
この件については、高市首相本人が同日Xにポストすることによって説明したことをはじめ、その後の「欠席は2日前には決まっていた」とする週刊誌報道と、それに反論する高市首相本人からメールをもらったとするジャーナリスト須田慎一郎氏の動画、さらに木原官房長官の談話など、後からあとから、次から次へと情報が出てきて、政権側の説明も文字通りの「二転三転」。投開票日を目前にして事態は錯綜をきわめています。
そのようななか、私は自らのブログサイトに、2月2日~2月5日にかけて、この「騒動」について医師としての視点から検証した計3本の記事を投稿しました。
それは外科、総合診療、在宅医療とさまざまなフィールドで長年診療を続けてきた医師の目から見て、そして、現在の日本の医療水準をもかんがみれば、今回の事案にあまりにも不可解な点が多すぎたからに他なりません。
本稿では、これらの記事に加筆修正する形で、一連の事案について医師として覚えた違和感と矛盾を読者の皆さんと共有しつつ、投開票を前にあらためて本当の「事実関係」に関する説明を責任政党と政権に求めたいと思います。
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■「首相への信任」を問う選挙だったのに…
なぜここまで私がこの件にこだわっているかを最初にお伝えしておきましょう。
それは今回の解散総選挙の「大義」は、高市首相自身の説明によれば「選挙によって信任を得られないと国論を二分する政策に果敢に取り組むことができない」などとするものでしたし、高市首相自身が「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか。今、主権者たる国民の皆様に決めていただく」と述べていたからです。
首相を信任するには、政策はもちろん、いかなる事案においても、誠実に事実関係を有権者に説明する姿勢を示してもらわねばなりません。
こと今回の事案は有権者の知る権利を担保する大きなツールである各政党の要職者が一同に集って討論する最後のチャンスでした。
高市首相を支持するしないにかかわらず、首相本人の声を聞きたかった有権者は少なくなかったはずです。
本稿はそうした観点を踏まえつつも、あくまで内容は「予断」を排して、純粋かつ冷静に医学的見地から分析したいと思います(ただ紙幅の都合から詳細は記載しきれません。ご興味のある方はnoteもご参照ください)。
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■これまでの経緯
まずことの経緯を時系列で確認しておきましょう。
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1月20日(火)
衆議院議員選挙公示
1月23日(金)
衆院選公認証交付。300人と握手。
2月1日(日)朝
NHK「日曜討論」欠席。代役は田村憲久氏。官邸は「手の治療のため」と発表。
昼 岐阜・愛知遊説。「痛い右手」を大きく振り回しながら演説。右手全部の指にテーピング。
2月2日(月)
尾崎官房副長官会見。「今後の公務に支障はない」
2月3日(火)昼
ネパール大統領と会談。
握手を「痛い」と仕草で拒否。右手にサポーターを装着。
2月3日(火)午後
埼玉県内遊説(5カ所)。1万人の前で右手にマイクを握り熱弁。(会談での「握手拒否」から数時間後、2本束ねたマイクを右手のみで握って保持して演説)
2月3日(火)夕方
文春オンライン(電子版)が「放送の2日前から出演キャンセルを準備していた」とスクープ。
2月4日(水)深夜 01:00
ジャーナリスト須田慎一郎氏へ高市首相本人からメール。
2月4日(水)午後
木原官房長官会見。(以下、毎日新聞記事より一部抜粋)
「首相は深刻な状態で、私が(出演を)キャンセルさせた」と明らかにした。高官(筆者注 木原官房長官)によると、首相は衆院解散後の1月23日に党本部で行われた衆院選立候補予定者への公認証交付で300人以上と握手し、手指の関節が腫れるなど症状が悪化した。衆院選公示後の応援演説で支持者らと握手を重ねる中、右手の指2本の関節が曲がるなどしたという。高官は通院や治療をするよう求めたのに対し、首相は応援演説を続け、日曜討論にも「出る」としていたが、2月1日朝に医務官の治療を受けた。」
2月4日(水)夜
須田氏が動画で高市氏からのメール公開。(以下、抜粋)
「公示日から握手で右手指関節が2本曲がり腫れあがっていたところ、木曜日と金曜日の演説会で手を強く引っ張られてアウトでした。」
「日曜朝にようやく医務官に消炎処置とテーピングをしてもらい、午後から遊説を再開することになりました。」
「選挙後に病院でレントゲンを撮ります」
「日曜朝はNHK出演のために演説出発を遅めにしていたので、膠原病(関節リウマチ)などの専門医である医務官に日曜朝に治療してもらえば(出演に)間に合うということで……」
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■「引っ張られて手が腫れた」への違和感
この件についての最初の公式発表は高市首相自身のXポストです(2月1日)。
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ここ数日の遊説会場で、熱烈に支援してくださる方々と握手した際、手を強く引っ張られて痛めてしまいました。関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました。急遽医務官の方に来ていただき、お薬を塗っていただき、しっかりテーピングもしていただきました。(高市首相公式Xより一部抜粋)
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文面から、もともとの持病にくわえて手に強い牽引力がくわわったことで関節が腫脹した、すなわち「外傷」がメインと読み取れます。
また「手が腫れた」との記述がありますが、もし握手で引っ張られたならば、もっとも牽引力の負荷がかかるのは手関節か前腕の筋群あるいは肘関節です。
しかし高市首相のテーピングは手指の第二関節(PIP関節)でした。さらに拇指の第一関節(IP関節)にもテーピングされており、握手で引っ張られて受傷したという「受傷機転」からすると、なかなか理解が困難です。
常識的に握手というものは5本指をまとめて握って引っ張るものではないからです。
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■医務官の対応への疑念
ただ首相ご本人の、握手で引っ張られたことが原因というこの時点での認識が間違いだった可能性も否定できません。
支援者ともみくちゃになっていたのですから、ハイタッチやグータッチもしたでしょう。1回の衝撃のみで受傷したと考えるほうが不自然でしょう。
となると、今度はその後の医務官の対応に大きな疑念が出てきてしまうのです。
もともと脆弱な関節に強い外力がくわわることで一番心配なのは、腱や靭帯損傷による関節の変位や脱臼、さらには骨折です。
私が医務官として首相から「関節が腫れて痛い」と呼ばれたら、もし関節が曲がっていなくても、塗り薬やテーピングなどですませず、最低限レントゲンくらいは撮るでしょう。
テレビ出演を断念したのであれば時間はありますし、選挙戦もはじまったばかり。地方遠征より診断治療を最優先にすべきと医師として強く進言するはずです。
しかし首相のポストを見るかぎりその形跡はどこにもありません。
その後に出てきた「情報」は、私の理解をよりいっそう困難にするものでした。
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