今回の衆院選は、始まりからして異様だった。昨年12月17日の記者会見では、税制改正や来年度予算案などを理由に、解散・総選挙は「考えている暇がございません」と明言していた高市早苗首相は、年が明けると一転して1月19日に記者会見を行い、1月23日に召集される通常国会冒頭での衆院解散を表明した。
解散の記者会見では、「国論を二分するような大胆な政策・改革にも、批判を恐れることなく果敢に挑戦していく」と述べたが、具体的にそれが何を指すのかについては、選挙が終わるまで明らかにしなかった。
選挙戦が始まると、高市首相は「私が総理大臣でいいか選ぶ選挙です」と声高に主張しながら、不都合な事実を追及されそうなテレビ討論会は「手の負傷」を理由に欠席した。
ネット上では、高市首相が登場する自民党の宣伝動画が1億回超という不自然な再生回数を記録し、数億円規模の広告費が投入された疑いが指摘された。
高市首相をかわいいキャラクターのように演出した非公式なショート動画が動画投稿サイトに溢(あふ)れ、若者が高市首相と同じ物を持ちたがっているという実体不明の「」を新聞も取り上げて、その宣伝に貢献した。
自民党の候補者たちも、具体的な政策公約は曖昧にしたまま「高市首相を信任してください」と有権者に叫び、「何かやってくれそう」という漠然とした期待感を醸成した。
2005年9月の衆院選は、当時の小泉純一郎首相が「郵政民営化」を争点にして大勝し、自公の与党で327議席を獲得したが、今回の衆院選では結局「高市首相の信任」以外の争点が何一つ明確にされないまま、それを上回る352議席を自維の与党が得た。
高市首相と自民党は、明確な政策を争点とする「論理的選挙」を避け、政治指導者をイメージ操作で偶像(アイドル)化して有権者の共感を?(つか)む「情緒的選挙」を徹底して展開した。アイドルの「推し活」と類似する自発的応援のムードを醸成し、さまざまな政策を与党の力だけで具現化できる、事実上の「白紙委任状」を国民から取り付けることに成功した。
だが、虚構のイメージを取り払って実体としての高市首相を観察すれば、昨年10月の就任以降、政策上の「実績」と呼べる物は特に見当たらない。むしろ、台湾有事発言に起因する中国との関係悪化や、物価高を助長する円安容認発言など、経済と安全保障の面で日本国民の利益を害する行動が目立つ。だが、高市首相は自分の非を認めない態度を貫いている。
後世の歴史家は、自民党の大勝に終わった今回の衆院選をどのように評価するだろうか。
論理よりも情緒に偏った高揚感の中で、国民が政府に全面的な権限を付与する図式は、1930年代の日本やドイツにも通じる面がある。
特定の国や外国人への漠然とした不安や敵意を煽(あお)った上で、威勢のいい強硬論で「力」をアピールして偽りの安心感を植え付け、政府への依存心を国民に抱かせる手法が、強権支配や対外戦争の入り口となった事例は数多い。
1937年の前半、日本国民は軍備増強に起因する物価高に苦しんだが、7月に日中戦争が勃発すると、人々は生活上の不満を忘れて「挙国一致」で対中国戦争を支持した。
戦況が泥沼化・長期化しても政府は失敗を認めず、国民の生活環境悪化の責任を米英という新たな敵に転嫁して憎悪を煽り、戦争を東南アジアと太平洋へとエスカレートさせた。その結末は何だったか。
いっときの勝利は、長期の安定を約束しない。その重い事実が今、我々の目前にある。(寄稿)
山崎雅弘(やまざき・まさひろ) 1967年、大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。著書に『日米軍事近現代史』『太平洋戦争秘史』『詭弁社会?日本を蝕む“怪物”の正体』『ウソが勝者となる時代』など多数。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/467817?rct=politics
【自民党・村上誠一郎氏が警鐘】「100年前に戻りつつある。スペイン風邪、大恐慌、そしてヒトラー政権」
https://talk.jp/boards/newsplus/1770806612
引用元: ・【戦史・紛争史研究家・山崎雅弘】2026年の衆院選を後世はどう見るか・・・論理よりも情緒に偏った高揚感の中で、国民が政府に全面的な権限を付与する図式は、1930年代の日本やドイツにも通じる面がある
まむてろよトランプ
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