【漫画家】水木しげるが「サラリーマンの大半は妖怪だ」と言ったワケ
【漫画家】水木しげるが「サラリーマンの大半は妖怪だ」と言ったワケ
※本稿は、栗下直也『偉人の生き延び方』(左右社)の一部を再編集したものです。
ラクして、楽しく暮らしたい男が選んだ副業
副業の王道といえば不動産ビジネスだろう。物件選びさえ間違わなければ、サイドビジネスどころか働かずに利回りで暮らせる。不動産投資は、そんな夢を多くの人に抱かせる。『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家の水木しげるもその一人だ。
有名人が有り余る資産を運用する一環で不動産に投資するのはよくあるケースだが、水木の場合は事情が少し異なる。ラクして、楽しく暮らしたい。働かないでごろ寝して暮らしたい。そんな一念で手元資金が決して潤沢でない、まだ何者でもない時代にアパート経営に乗り出している。
(略)
ゲゲゲには描かれない水木の才覚
実際、この頃は魚屋で身を立てていたというよりも毎日パチンコ屋に通い、1日の糧を得ていた。とはいえ、魚屋の仕事はあるし、大学にも通って病院にも行き、パチンコで稼ぐには忙しすぎた。結局、店を手伝ってくれていた友人に魚屋の権利を4万円で売る。
隻腕の体でできて、忙しくない仕事はないかと探し、魚屋を売ったカネで今度はリンタク屋を始める。リンタクとは今となっては聞き慣れない言葉だが、自転車に客席を取り付けた営業用の三輪車だ。今でも東南アジアの一部では健在の乗り物である。ガソリン不足や、自転車の改造にわずかな費用しかかからない背景もあり、戦後すぐに爆発的に普及した。
水木はリンタクを2万円で買うと、自分では引かずに1日500円で人に貸した。それならば昼まで寝ていて、パチンコで稼ぎ、学校にも行ける。毎日、寝ているだけで、500円の定期収入があるから、貯めておけば1カ月半に1台新しいリンタクも増え、さらに稼げるようになる。風貌からは想像もつかないが、ビジネスの才覚にうならされる。
(略)
あなたの横にもいる妖怪
徹夜は週に1度がやっとで、徹夜した翌日は10時間以上寝たというから、徹夜の意味があまりない。水木の壮年期は食うためにはなんでもやった時代で、特に戦後すぐは正業も副業もない時代だった。今とはあまりにも時代背景も違うが水木はこう諭す。
サラリーマンの大半は、幸福になる努力が足りない。まずにおいをかいで、幸せの方向をちゃんとつかんで、階段を上がるようにしないといかんです。幸せにつながらない階段を上がっちゃだめですよ。もっとも、そうしたいと思っても無理、という立場の人もおるでしょうね。かわいそうだけど、それはしかたない。
ところが、幸福のためには全く役に立たないことをやってて疑問を感じない人たちもたくさんいる。これは一種の妖怪ですよ。[『読売新聞』2004年10月5日付朝刊一五面]
果たして、あなたは妖怪になっていないだろうか。
引用元: ・【漫画家】水木しげるが「サラリーマンの大半は妖怪だ」と言ったワケ [ネギうどん★]
学校も試験も何にもない
昼はのんびりお散歩だ
会社も仕事もなんにもない
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