日本はニホンかニッポンか?…世界でも珍しい国号「日本」をめぐる謎 言語学でもメジャーな「大問題」
日本はニホンかニッポンか?…世界でも珍しい国号「日本」をめぐる謎 言語学でもメジャーな「大問題」
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(前略)
古来からの「日本」の呼び名についての論説は、古くは南北朝時代の武将・北畠親房による『神皇正統記』にその記述が見え、江戸時代では国学者・本居宣長、『解体新書』で有名な蘭学者・前野良沢などが自説を披露しています。現在でも論争が繰り広げられていますので、いくつかご紹介していきましょう。
まず、「日本」という漢字表記について。国内の公式文書で最初に確認できるのは、教科書でおなじみの、720(養老4)年成立、国史第一号の『日本書紀』です。
同書の文中では、これまで中国から呼ばれていた「倭(わ)」という国名をすべて「日本」と書き直し、かつ、これを「やまと(耶麻騰)」と呼ぶ、と注意書きがなされています。日本と書いて「やまと」と読むんですね。「日本」を「ニホン」と読むのは、漢字の中国語発音にそった読み方で、いわば外来語のようなものなんです。
「ニホン」という音は、『日本書紀』の時代の中国=唐の公用語(中古代中国語「漢音」)よりも古い、「呉音」由来とされています。『三国志』でおなじみの「呉」が存在したのは西暦250年前後。日本列島に邪馬台国の卑弥呼がいた時代で、中国南方系の言葉です。呉音では「日」という字を「ニチ」と読み、「ニチホン」→「ニホン」となったのではという説です。
■「ジャパン」はどこから来たのか?
「日本」をなんと言ったのか。さらに有力な表音文字の手がかりがあります。それは16世紀、戦国時代の南蛮人宣教師たちによるポルトガル語表記です。現在に伝わっている『日葡辞書』によれば、「日本」を表すアルファベットとしては「Nippon」が一番多いものの、「Niffon」「Nifon」さらには「Jippon」という表記もあり、この頃、各地で「日本」の発音は入り乱れていたようなのです。
え、「ジッポン」? でも「日本」という漢字を逆さにしたらどうでしょう。「本日」=「ほんじつ」ですね。「日」を「ジツ」と読むのは、唐以降に中国で定着する北方系の「漢音」由来です。
『東方見聞録』中の日本表記「ジパング」は、現在の世界における通称「ジャパン」の原型ですが、この読み方はマルコポーロが中国(当時の王朝は元)に到着した頃、中国人が「日本(国)」を「ジッペン(グオ)」と呼んでいたのを耳にしたのだとされています。ですが、その後、鎖国された江戸時代の日本国内では「ジッポン」という言葉は衰退していき、次第に平板化した「ニホン」読みがまた優勢になっていきました。
また、近年の音韻学・言語学の研究では、奈良以前の日本人は「h」音を「p」音で発声していた、というのが定説です。つまり私たちが今、話している「は、ひ、ふ、へ、ほ」を、卑弥呼や聖徳太子、あるいは時代が降って天智天皇の頃までは「パ、ピ、プ、ペ、ポ」と発音した。とすると成立時には『日本書紀』の音読みも「ニホンショキ」でなくて、「ニポン(一説ではニエットプァン)ショキ」だったのではないかとされています。
しかし平安時代になると、「ハ」行の発音は、p音からh音へと変化し、「ニホン」という読みが優勢になり、この頃には「ニホンショキ」と呼んだことが仮名文字から確認できています。たしかに紫式部や清少納言の王朝文学や平安貴族たちの詠む和歌に「パピプペポ」の撥音はちょっと似合わない感じがします。
国名として「ニッポン」という言い方が広まったのは、もっと後代、関東武士たちの勃興と都への進出によって室町頃に“関東なまり”が都に流れ込み、「日本=ニッポン」となったのだという説を唱える研究者もいます。
「大日本帝国」で復権した「ニッポン」
徳川幕府が倒れ、明治維新が起こるとともに新政府は国際政治の荒波でもみくちゃにされます。時代は帝国主義のまっただ中、日本も「大日本帝国」と名乗り、世界列強との植民地の取り合いに参戦していきます。そんな政府のふるまいが、「ニホン」と「ニッポン」の読み方に思わぬ余波を与えました。
大日本帝国政府は、大東亜共栄圏下に入った朝鮮半島、台湾、満州、南方などに暮らす人々を統治するにあたって、欧米列強の植民地での言語教育を参考にして日本語教育の指針を作ります。そのとき、文体は口語体にすること、文字表記はカタカナとすること、仮名遣いは発音式にすること、とあわせて「発音を統一すること」という項目が入ったのです。こうして1920年代(大正後期から昭和初期)に国号統一の機運が高まり、1934(昭和9)年3月には文部省臨時国語調査会の審議で「今後、国名はニッポンに統一する」という決議がなされ、新聞などでそのニュースが広く報じられました。
※以下出典先で
引用元: ・日本はニホンかニッポンか?…世界でも珍しい国号「日本」をめぐる謎 言語学でもメジャーな「大問題」 [七波羅探題★]
紀文
大阪にある日本橋 ⇒ ニッポンバシ
大阪の日本橋の読み方がニッポンバシなのは最近知った。
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