【感染症】食中毒の病原体の危険度格付けランキングができました!(O157、ノロウイルスなど)
【感染症】食中毒の病原体の危険度格付けランキングができました!(O157、ノロウイルスなど)
なお、★は感染症法による三類感染症、●は四類感染症です。
【危険度:SS】
●炭疽菌
【危険度:S】
●ボツリヌス菌
【危険度:A】
★腸管出血性大腸菌(O157、O111など) ★赤痢菌(志賀型) ★サルモネラ菌(腸チフス型、パラチフス型)
【危険度:B】
ロタウイルス ●A型肝炎ウイルス ●E型肝炎ウイルス ★赤痢菌(志賀型を除く) ★コレラ菌 ビブリオ・バルニフィカス カンピロバクター リステリア菌
【危険度:C】
ノロウイルス(小型球形ウイルス) 病原性大腸菌(腸管出血性を除く) サルモネラ菌(チフス系を除く) エルシニア菌 腸炎ビブリオ NAGビブリオ(ナグビブリオ)
【危険度:D】
ウェルシュ菌 セレウス菌 黄色ブドウ球菌
引用元: ・【感染症】食中毒の病原体の危険度格付けランキングができました!(O157、ノロウイルスなど)
ちなみに寄生虫を入れるならこんな感じ。
【危険度:SS】
●エキノコックス
【危険度:B】
赤痢アメーバ トキソプラズマ
【危険度:C】
アニサキス クリプトスポリジウム ランブル鞭毛虫(ジアルジア)
【危険度:D】
クドア
まずは危険度S以上から。
【炭疽菌】
ペスト菌と並んで生物兵器として有名な細菌で、主に傷口から侵入する皮膚炭疽症や、重い肺炎(肺炭疽症)を起こすイメージが強いが、実は腸炭疽症という食中毒を起こすこともある。
炭疽症で死亡した動物の肉を食べることで感染することが多く、発症すると激しい腹痛や血便(下血)を伴う酷い下痢、吐血などの症状に襲われる。早急に治療しなければ腸などに穴があいて敗血症や腹膜炎などの重大な合併症で亡くなることもあり、未治療の場合の致死率は50%以上である。
非常に危険な細菌ではあるが(エボラウイルスや天然痘ウイルスなどと異なり)抗生物質で治療できることや、人から人に伝染しないことはまだ救いか。
炭疽菌は芽胞を作れるため防御力が非常に高く、加熱調理は無効である。
ちなみにバチルス属に分類される細菌の一つである(他には食中毒菌のセレウス菌や、善玉菌の納豆菌などが同属である)。
【ボツリヌス菌】
土や泥に広く生息する細菌。この菌が産生する毒素(ボツリヌストキシン)は極めて毒性が高く、細菌が産生する猛毒の中で最も危険なものである(ベロ毒素以上の毒性)。
この菌は空気・酸素を嫌うため、空気のない密閉された空間で増殖する。発生件数こそ少ないが、未治療の場合の致死率はかなり高い(20%以上)ので注意。缶詰などの加工食品や蜂蜜が原因となることが多い。
主な症状は嘔吐、ものが見えにくくなる、ものが飲み込めなくなる、ろれつが回らない、めまい、筋肉麻痺などの神経症状。最終的には呼吸ができなくなる。ちなみに下痢や発熱はあまりみられない。
ちなみにボツリヌストキシンは熱に弱いので一応加熱調理も有効だが、ボツリヌス菌自体は芽胞を作れるため熱に強いので要注意。
【腸管出血性大腸菌】
O157やO111などの種類がある、ベロ毒素(志賀毒素)を産生できるタイプの病原性大腸菌の総称。
主に牛などの腸内に生息しており、生または加熱不足の牛肉(特にレバーなどのホルモン系が危険)を食べて感染することが多いが、感染力が強い細菌であるため他の食品や飲み水などが原因となることも少なくない。
また、人から人に伝染することもある(接触感染、二次感染)ため、感染症法では就業制限が必要な三類感染症に指定されている。
主な症状は激しい腹痛と酷い下痢(人によっては発熱も)で、重症化するとベロ毒素によって大腸が傷つけられて出血するため大量の血便(下血)が出ることもある(出血性大腸炎)。また、ベロ毒素が血液中に入ると腎臓や肺、脳などに重い障害が残ることもある。
潜伏期間が長い(食後数日〜1週間程度)ため、原因となった食品を特定するのが難しいという厄介な特徴がある。
危険な細菌ではあるが、熱には弱いため加熱調理が有効。ただし低温、乾燥、胃酸には強いため要注意。
【赤痢菌】
病原性大腸菌に近い仲間の細菌。感染力が強いため様々な食品が原因となり得る。また、二次感染も多い。
感染症法では三類感染症になっているため、就業制限が必要。
志賀型やソンネ型などいくつかの種類があり、大腸の細胞に侵入して炎症を起こす。特に志賀型は(O157などと同様に)ベロ毒素を酸性するため、危険である。
主な症状は腹痛、下痢、発熱である(嘔吐は稀)。志賀型は出血性大腸炎を起こすため重症化しやすく、激痛や大量下血(赤痢の名前の由来となった真っ赤な血便が出る)、急性腎不全などで苦しむこともある。
志賀型以外の赤痢菌による食中毒は軽症であることが多い。
O157などと同様に胃酸に対しては強いが、高温に弱い。
【サルモネラ菌の一部(腸チフス型、パラチフス型)】
サルモネラ菌の一部のタイプは腸チフスやパラチフスといった病気を起こす。これらは菌が血液中に侵入するため、敗血症を起こす。
他の食中毒と異なり下痢はみられないことも多いが、長引く高熱や倦怠感で苦しむこととなる。また、発疹が出ることもある。重症化すると腸に穴があいたり髄膜炎などの重大な合併症で死亡することもある危険な細菌である。
抗生物質による治療が必要である。三類感染症。
【ロタウイルス】
ノロウイルスと並ぶ、胃腸炎を起こす主要ウイルスの一つ。
ノロウイルスと同様に感染力が非常に強く、空気感染することもある手強いウイルス(感染力はインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスを上回るという噂も)。また、アルコール消毒が効かないのも特徴だ。
主な症状は激しい下痢、嘔吐、発熱。特に乳幼児は重症化しやすく、コレラのような激しい下痢や高熱、脱水症状で苦しむこともある。また、稀に脳症や心筋炎、肝炎、腸重積症などの重大な合併症を起こすこともある。
乳幼児にとってはノロウイルスより危険な手強いウイルスだが、今はワクチンで予防できる。ただしロタウイルスワクチンは稀に腸重積症などの重大な副作用が起こることもあるので注意が必要だ。
【A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス】
急性肝炎を引き起こすウイルス。その中でもA型肝炎ウイルスとE型肝炎ウイルスは経口感染することで有名。
A型肝炎ウイルスは主に生の魚介類が、E型肝炎ウイルスは野生動物などの生肉やレバーなどが原因となることが多い。ちなみにどちらのウイルスも熱には弱いため、加熱調理が有効である。
主な症状は高熱、倦怠感、吐き気、黄疸などで、多くの場合1ヶ月程度で自然治癒する。しかしごく稀に非常に危険な劇症肝炎となる場合があり、この場合は致死率50%以上になる。
ちなみにB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染経路はまた別である。
【コレラ菌】
腸炎ビブリオなどと同じビブリオ属の細菌。海水や淡水を好むため、生または加熱不足の魚介類が原因となることが多い。
また、稀に人から人に伝染することもあるため三類感染症に指定されている。ただし胃酸に弱いため、感染力はO157や赤痢菌などほど強くはない。
この菌は小腸で毒素を出す。主な症状は激しい下痢と嘔吐で、発熱や激しい腹痛は稀。多くは軽い胃腸炎程度で治まるが、重症化すると米の研ぎ汁のような水様便が大量に出て脱水症状に陥ることもある。
O157や赤痢菌のように毒素が血液中に侵入したり、腸チフスのように敗血症を起こすわけではないため、危険度は他の三類感染症よりはやや低い。経口補水液などによって脱水症状さえ改善すれば予後は良好である。
【ビブリオ・バルニフィカス】
ビブリオ属の細菌の一種で、生の魚介類が原因となることが多い。
多くの場合、軽い胃腸炎程度の症状で治まるが、基礎疾患(糖尿病、肝臓病、鉄過剰症、エイズなど)がある人がこれに感染すると敗血症や壊死性筋膜炎などの重大な疾患を起こして死亡することもある危険な細菌である。別名、人喰いバクテリア。
また、傷口から感染することもあるため、海で怪我しないように注意しよう。
【カンピロバクター】
主に生の鶏肉などから感染する細菌。
主な症状は腹痛、下痢、発熱など(嘔吐は稀)。多くは1週間程度で治るが、稀にギラン・バレー症候群という重大な神経障害を起こすことがある。
他の食中毒菌に比べて潜伏期間が長く、食後数日〜1週間程度で発症することが多い。
高温や乾燥には弱いが、低温に対しては強い。
【リステリア菌】
主に赤ちゃん・妊婦・高齢者・エイズ患者など、免疫力が低下している人に食中毒を起こす細菌。乳製品(特にチーズ)や肉類が原因となることが多い。
高熱や咳など、インフルエンザに似た症状があらわれる。下痢はあまりみられない。健康な人であれば数日程度で回復することが多いが、免疫力が低下した人が感染すると敗血症や髄膜炎などを起こしやすく危険。
低温や高濃度の塩分に対して非常に強い厄介な細菌だが、高温には弱いため加熱調理が有効である。
【ノロウイルス(小型球形ウイルス)】
非常に強い感染力を持つ胃腸炎ウイルスで、空気感染も起こす。感染力だけなら全ウイルス中最強クラスとも言われている(インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスをも超える)。また、エンベロープを持たないためアルコール消毒が効かないのも厄介だ。
しかし幸いにも致死率は低く、多くは軽症であり数日程度で自然治癒する。ただし高齢者は誤嚥性肺炎などを起こして重症化することもあるので要注意。
主な症状は激しい嘔吐と下痢。発熱することもあるが、インフルエンザやサルモネラ食中毒のような高熱が出ることは稀。
ちなみにロタウイルスと違って、予防のためのワクチンは無い。
【病原性大腸菌】
大腸菌のほとんどは無害であるが、中には胃腸炎を起こす危険なタイプもあり、病原性大腸菌と呼ばれている。
病原性大腸菌には腸管出血性大腸菌(O157など)の他にも、「赤痢菌のように大腸の細胞に侵入するもの」や「コレラ菌のように小腸で毒素を出して激しい下痢を起こすもの」などがある。
【サルモネラ菌(チフス系を除く)】
主に生卵や生肉、乳製品などが原因となり得る。また、犬や猫、ネズミなどの哺乳動物や爬虫類から接触感染することもある。
主な症状は高熱、腹痛、激しい下痢、嘔吐など。多くは1週間程度で自然治癒するが、稀に敗血症や髄膜炎などの重大な合併症を起こすこともある。
低温に強いが、高温には弱いため加熱調理が有効。また、動物などに触った後は石鹸で手を洗うと良い。
【エルシニア菌】
肉類(特に豚肉)や牛乳(乳製品を含む)が原因となることが多い。この菌は低温に対して非常に強く、冷蔵庫でも増殖することができる。
発熱・頭痛・腹痛・下痢・関節の痛みなどの症状があらわれる。特に腹痛は激しく、虫垂炎と誤診されることもあるほど。
ちなみに近い仲間の細菌としてペスト菌がある。ペスト菌は感染力や致死率が非常に高くきわめて危険な細菌であるが、食中毒を起こすタイプのエルシニア菌は(激しい腹痛などで苦しむことにはなるが)致死率は低い。
【腸炎ビブリオ】
コレラ菌などと同じビブリオ属の細菌。生の魚介類が原因となることが多い。
小腸で毒素を出し激しい腹痛や下痢、嘔吐などの症状があらわれるが、数日程度で回復することが多い。ただし稀に敗血症や心臓障害、低血圧などの重大な合併症を起こすことがある。
【NAGビブリオ(ナグビブリオ)】
コレラ菌に近い仲間の細菌だが、コレラ毒素(コレラトキシン)を産出しないのが特徴。
腹痛や下痢、嘔吐などの症状があらわれる。通常は数日程度で回復する。
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