「1円でも多くの税金を搾り取るのが財務省の『仕事』」 サラリーマンを追い詰める退職金増税の実態
「1円でも多くの税金を搾り取るのが財務省の『仕事』」 サラリーマンを追い詰める退職金増税の実態
https://news.yahoo.co.jp/articles/3cfa2d52178d1a2584c189270d128450292b0e1b
少数与党に陥っている石破政権にとって大きな関門になるとみられていた来年度本予算。日本維新の会が訴える「高校授業料無償化」案を丸のみすることで意外にすんなり衆院を通過したが、最後の最後にどんでん返しが待っていた。
参院での審議中に“待った”の声がかかったのは、医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の見直しについて。政府案では今年夏から負担限度額を引き上げる方針だったが、3月7日、石破首相は「引き上げ見送り」を表明。全国がん患者団体連合会が引き上げ凍結を求める声を上げる中、野党ばかりか与党内からも慎重論が沸き起こり、追い込まれて凍結を宣言した格好である。
引用元: ・「1円でも多くの税金を搾り取るのが財務省の『仕事』」 サラリーマンを追い詰める退職金増税の実態 [662593167]
■「石破首相に政策決定権限などない」
「夏に選挙を控えた自民党参院側が高額療養費制度見直しに反対するのは当然。松山政司自民党参院幹事長が中心となって森山裕幹事長や小野寺五典政調会長に『引き上げ凍結』を求めていました」
と、政治部記者が言う。
「元々引き上げに消極的だったとされる森山さんらの念頭には2007年の参院選大敗があるのは間違いない。郵政造反組復党問題や相次ぐ閣僚の不祥事に加え、『消えた年金』問題が争点になり、自民党は大敗しました。暮らしに直結する社会保障費の問題は選挙の趨勢に大きく影響するのです」
ちなみに、
「森山幹事長は今や国会のみならず政権運営をも一手に担っている状況です。何しろ、石破首相はことあるごとに“森山さんは何て言ってる”と口にしますから。石破首相に政策決定権限などないのです」(同)
■「本気で医療費の問題を見直すのであれば……」
患者にとって負担増となる高額療養費の限度額引き上げを政府に求めてきたのは厚生労働省と財務省である。予算案の審議過程では、厚労省が、患者や関係団体の意見を十分に聞いていなかったことも判明した。
「高額療養費の上限額については、基本的に据え置きでいいと考えています」
と話すのは、医師・医療経済ジャーナリストの森田洋之氏である。
「そもそも医療費全体に占める高額療養費の割合はほんのわずかです。医療費の総額が40兆円を超えているのに対し、今回の上限見直しで削減できる医療費は200億円程度ですから。本気で医療費の問題を見直すのであれば、延命治療などの在り方を再検討すべきです。日本では患者が亡くなるまでの最後の1年に最も医療費がかかっているといわれています」
しかもその医療費の大半は積極的な治療に使われているわけではなく、
「食事ができなくなった寝たきりの患者さんのお腹に穴を開け、胃に直接食べ物を流し込む胃ろうだったり、点滴、人工呼吸、人工透析など、対症療法で延命しているケースが多いのです。本当に困っている人に対する医療はちゅうちょなく提供すべきですが、そうではない医療にたくさんお金がかかってしまっているから、今のように財政を圧迫する状態になったのです」
■「1円でも多くの税金を搾り取るのが彼らの『仕事』」
財務省は今回のような「支出削減」や「増税」につながる制度改変なら物価連動を主張するものの、「支出拡大」や「減税」につながる制度改変の場合は物価連動をおくびにも出さない。
「財務省にとって必要なのは緊縮の完遂であり、1円でも多くの税金を搾り取り、1円でも多くの支出を削減するのが彼らの『仕事』なのです。その際に、国民に対する配慮は全く見られないのが実情です。『反発の少なさ、多さ』にだけ対応しており、反発が大きくない、と見ると今回のように削減が完遂されそうになってしまうのです」(同)
財務省がもくろむ「退職金税制の見直し」についての質問が国会で飛んだのは、高額療養費の負担限度額「引き上げ見送り」が表明される2日前のことだった。
「拙速な見直しはいたしませんが、慎重な上に適切な見直しをすべきだ」
石破首相はそう答弁し、将来的な見直しを否定しなかったのだった。
「退職金税制の見直しについては23年6月、当時の岸田文雄政権が経済財政運営の指針『骨太の方針』に『見直す』と明記したものの、SNSで『サラリーマン増税』という批判が相次いで炎上した経緯があります」(前出の政治部記者)
■サラリーマンにとっては大幅な増税
現行制度では、退職金から控除額を差し引いた金額の2分の1に所得税と住民税が課せられる。勤続20年までは1年あたり40万円の控除額だが、勤続20年を超えると、控除額が毎年70万円に拡大される。
この「勤続20年の壁」を取り払い、20年以降も控除額を一律40万円とする案などがこれまで検討されてきた。もちろん、サラリーマンにとっては大幅な増税となる。
「所得の性質に応じて課税の計算方法を分ける必要があるという理由から所得は10種類に分類されており、その一つが退職所得です」
税理士で「不公平な税制をただす会」共同代表の浦野広明氏が解説する。
「退職所得に課税の軽減措置が取られているのは、退職金が会社に長年勤務したことに対するねぎらいであるとともに、老後の生活資金だからです。また、他の所得などと合算して課税してしまうとその年の所得だけが跳ね上がり、納税額が増えてしまうのは不適当だからという配慮もあります」
最近は早期退職制度で割増金が上乗せされることがあるが、その割増金も「退職金」に含まれる。小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)など、契約に基づいて受け取る一時金も同様である。
■「退職金2000万円の場合……」
「政府が退職金課税の軽減措置の見直しを検討している背景には、労働市場が流動化し、転職する人が増えていて実態にそぐわないこと、また成長分野への労働移動の円滑化を目指すという目的もあるようです」
と、浦野氏が続けて語る。
「報道を見ていると、勤続20年を超えた場合でも退職所得控除を1年あたり40万円に据え置くよう見直すことばかりが注目されていて、『2分の1課税』についてはほとんど言及されていません。この『2分の1課税』もなくなる可能性は大いにあります」
すでに触れた通り、退職金への税金は、退職金から控除額を差し引いた額の“2分の1”に課せられる。この「2分の1課税」が撤廃されると、退職金から控除額を差し引いた金額全てに税金が課せられることになる。それに加えて控除額優遇もなくなった場合のシミュレーションは以下の通りである。
「勤続38年、退職金2000万円だと、現行制度での退職所得控除額は〈40万円×20年〉+〈70万円×18年〉=2060万円ですから、納税額は0円。一方、見直し後(2分の1課税もなくなる場合)の退職所得控除額は〈40万円×38年〉=1520万円まで引き下がり、2000万円-1520万円=480万円が課税対象となり、所得税は53万2500円、住民税は48万円で、合計101万2500円の増税となります」
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