トランプ氏、エルサルバドル刑務所に米国民犯罪者の移送検討

【ワシントン=芦塚智子】トランプ米大統領は14日、不法移民対策で協力を深める中米エルサルバドルのブケレ大統領と会談した。会談にあたって記者団に、米国民の犯罪者をエルサルバドルの刑務所に移送する可能性を探っていると明らかにした。米メディアによると法律の専門家の間では違憲との見方が強い。

トランプ氏は米国は刑務所の収監者数が多すぎると指摘し、米国籍の凶悪犯罪者をエルサルバドルに送る案について「大賛成だ。法律を精査しているところだ」と述べた。

エルサルバドルは米国内で拘束されたベネズエラの犯罪組織メンバーの不法移民ら200人以上を受け入れ、同国の大規模刑務所に収監している。AP通信によると、米政府はエルサルバドル政府に600万ドル（およそ8億6000万円）を支払う。

トランプ氏はエルサルバドルに移送を計画している不法移民の数に関し、米国内に危険な不法移民が何百万人もいるとして「できるだけ多く（移送する）」と表明した。ブケレ氏に収容施設の増設を要請したと語った。建設費用を支援する用意があるとも話した。

米政府が「事務的な間違い」によってエルサルバドルに強制送還し、連邦最高裁が米国への帰還を支援するよう命じた米東部メリーランド州の不法移民の男性について、ブケレ氏は米国に戻すつもりはないと明言した。

ブケレ氏は「米国にテロリストを密入国させることができるものか。私に彼を米国に戻す力はない」と語った。男性をエルサルバドル内に釈放する可能性も否定した。

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