“高市改憲”は内閣主導?　「原案の提出権ある」首相発言が波紋

　憲法は改正手続きについて「国会が発議する」と定めているが、その原案を内閣が提出できるか否かについては見解が割れる。

　質問したのは日本維新の会の藤田文武共同代表。自民、維新両党の連立合意書には憲法改正推進が明記された。国会の改憲論議が滞る中、首相発言の狙いとは――。

憲法72条「議案提出権」の解釈
　「内閣は憲法改正原案を国会に提出できることについて、政府の立場は変わらないか」

　藤田氏が4日の代表質問でそう質問すると、首相は「憲法72条の規定で議案を国会に提出することが認められていることから、憲法改正原案を国会に提出することも可能だ」と応じた。過去にも内閣法制局長官らが同様の見解を示してきたが、首相が答弁するのは異例だ。

　内閣が憲法改正原案を提出できるのか。この問題は古くから議論されてきた。

　憲法96条は「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議する」と明記する。一方、72条は「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出する」と規定し、内閣に広く法案などの提出権があることを定めている。

　首相が示した解釈は、72条の「議案」には憲法改正原案も含まれるため、内閣による提出が可能だというものだ。

　なぜ今回、維新がこの解釈を確認する質問をしたのか。そこには、ある仕掛け人の存在があった。

狙いは野党の批判封じか(以下有料版で，残り1277文字)

毎日新聞　2025/11/11 06:00（最終更新 11/11 06:57）
https://mainichi.jp/articles/20251110/k00/00m/010/017000c