【左派寄りの偏向報道があらわに】信頼揺らぐ英BBC 「受信料制度」の存続に黄信号、最大の危機に
デイビー氏らが辞任表明に追い込まれたきっかけは、英紙デイリー・テレグラフがBBC元顧問の作成した内部文書を入手し、そこでトランプ氏の演説や中東情勢、トランスジェンダーを巡る事案などについて編集上の「瑕疵」が指摘されていたと伝えたことだった。
折しも英政府がBBCの受信料制度見直しに乗り出している中で、トップ不在となったBBCは過去数十年で最大の危機に陥った形だ。
BBCの支持者でさえ、全てのテレビ所有者が支払いを負担し、BBCの大きな収入源となっている現在の受信料の仕組みは、視聴者がネットフリックスやユーチューブ、ソーシャルメディアでニュースと娯楽コンテンツを入手する時代にそぐわなくなってきたと認めている。
野党保守党議員でかつてメディア担当相を務めたジョン・ウィッティングデール氏はロイターに「BBCが持つ最大の資産は信頼で、その名声は提供するニュースが不偏不党かつ客観的であり、適切な情報源を持ち、チェックを受けているという事実に基づいている。視聴者がもはやそれを信じられないとすれば、BBCにとっては極めて大きなダメージになる」と語った。
エンダーズ・アナリシス創業者のクレア・エンダーズ氏は、できるだけ速やかにBBCの新たなトップを任命し、受信料制度維持のために本来確保すべき信頼回復を急ぐべきだと提言する。
1922年に創設されたBBCは世界最古の報道機関の1つ。テレビとラジオを通じて現在42言語で放送され、世界最大規模の英語のニュースサイトも運営している。
英デイリー・テレグラフ紙は先週、BBC元顧問マイケル・プレスコット氏が作成した内部メモの抜粋を公表した。
プレスコット氏のメモは、組織として左派寄りの偏向があらわになった編集上の問題点をリスト化。最も深刻な例として、昨年11月の米大統領選直前に放送したドキュメンタリー番組「パノラマ」が、トランプ氏の2つの演説を切り取ってつなぎ合わせ、あたかも同氏が2021年1月の連邦議会襲撃を直接扇動したように印象付けたと指摘した。
トランプ氏はBBCに法的措置を取ることを示唆している。トランプ氏の弁護士は、14日までに番組が撤回されない場合、少なくとも10億ドル以上の補償を求める訴訟を起こすと9日にBBCへ通知した。
BBCは10日、番組編集を巡って「判断の誤り」があったとの認識を示し、対応を検討中だとしている。
英紙サンデー・タイムズの元政治担当記者だったプレスコット氏はメモを作成した動機について、編集上の問題が露呈した際のBBC経営陣の行動に「絶望」したからだと明かす。
英政府は、BBCの受信料制度が持続可能か、またロイヤル・チャーター(BBCの法的・制度的枠組みを定めた基本文書)更新の一環として他の選択肢を検討すべきかどうかを点検する準備を進めている。
スターマー首相の報道官は、政府はBBCを支持していると述べ、組織的な偏向があるとの見方は否定した。
ただBBCの経営形態は多くの全国紙から長らく厳しい目を向けられており、ソーシャルメディアでは受信料制度に反対する声が出ている。
昨年は受信料支払い拒否が30万件に達し、BBCにとって約5000万ポンド(約101億円)の減収につながった。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/11/578303.php
引用元: ・【左派寄りの偏向報道があらわに】信頼揺らぐ英BBC 「受信料制度」の存続に黄信号、最大の危機に
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