【京都】連れ子に性的暴行で起訴、男性に無罪判決　被害証言が一転「合理的な疑い残る」

　養子縁組した女子生徒に性的暴行を加えたとして、不同意性交の罪に問われた大津市の３０代の男性被告の判決公判が２８日、大津地裁であった。畑口泰成裁判長は「性行為をしたとするには合理的な疑いが残る」とし、無罪（求刑懲役７年）を言い渡した。

　判決や弁護人によると、被告は２０２４年８月、自宅で、妻の連れ子だった女子生徒が１６歳未満だと知りながら性交したとして起訴された。公判では「事実ではない」として無罪を主張していた。

　女子生徒は当時、友人の母親に「性被害に遭った」と相談し、児童相談所に保護された。その後、検察官に被害を証言していた。一方、今年３月の公判で「性交されていない。夢を見て本当の出来事だと思った」などと証言を翻した。

　検察側は公判で、被告が「子どもが妊娠」とインターネットで検索していたことや捜査段階でいったん自白していた点などを指摘していた。畑口裁判長は判決理由で「（捜査段階の）女子生徒の供述は高い信用性までは備えていない」とした上で、他に事実を認定する証拠もないとした。

　大津地検の中山博晴次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とのコメントを出した。