JR東「短い10両編成」　お上りさん「ふぁっ!?10両が短いってなんやねんな!!?」

何のため?　首都圏JR線の「短い10両」「短い11両」アナウンス

2025年5月11日 16:07

SNSやテレビ・ラジオ番組で「地方から上京してきた人(東京近郊に引っ越してきた人)」のあるあるネタとして、よく耳にするのが「JRの駅で『今度の列車は”短い”10両(11両)編成で参ります』というアナウンスを聞いてショックを受けた」というものがあります。その後には「うちの地元では1～2両が当たり前」とか「長くても3～4両だよ」という地元における列車両数の短さのアピールが入ることもよくあります。

事実、首都圏の一部JR線では駅や列車において「短い10両」「短い11両」という放送が入ることがあります。加えて、駅の電光掲示板では「10両」「11両」の両数表示をこれでもか強調して表示したり、駅独自の文章表示でも「この列車(電車)は短い10両(11両)です」と出したりと、10両・11両編成が“短い”ことをアピールしています。

東海道線の10～11両編成の列車(しかも普通列車グリーン車付き)を見て育った私は、10～11両編成の列車自体は見慣れたものです。しかし、東京方面に直通しない列車は3～6両編成が基本で、中には2両で運転するものもあったので、「おい、10～11両は“長い”だろ」とツッコみたくなる気持ちもあります。

しかし、10両や11両の列車(電車)を“短い”と強調しなければいけない、切実な理由があるのです。

首都圏の一部JR線は「15両編成」が当たり前だったりします
「短い10両」「短い11両」の言い回しには、「もっと長い編成の列車(電車)がある」という含意があります。それもそのはずで、このようなアナウンスが行われるJR線では、最長15両編成の普通列車(電車)が運行されています。15両編成の普通列車(電車)が運行される区間は以下の通りです。

東海道線 : 東京～熱海間

東北線旅客線: 東京～宇都宮間(通称「宇都宮線」)

高崎線 : 大宮～籠原間

常磐線 : 品川～土浦間(快速列車・快速電車のみ : 品川～日暮里間は通称)

横須賀線 : 東京～逗子間(東京～大船間は通称)

総武線快速電車 : 東京～千葉間

総武線 : 千葉～佐倉～成東間(総武線快速電車からの直通のみ)

成田線 : 佐倉～成田空港間(総武線快速電車からの直通のみ)

外房線 : 千葉～蘇我～上総一ノ宮間(総武線快速電車からの直通のみ)

内房線 : 蘇我～君津間(総武線快速電車からの直通のみ)

山手線貨物線・東北線貨物線：大崎～大宮間(通称「湘南新宿ライン」)

これらの区間は東京23区のいわゆる「都心」または「副都心」と郊外を結ぶ路線で、朝や夕方の通勤ラッシュ時には激しい混雑が見受けられます。また、区間によっては日中も立ち客が出る程度に混み合うこともあります。