「1800万円の売り上げゼロに…」中国人観光客に特化した老舗旅館が「休館」に
「1800万円の売り上げゼロに…」中国人観光客に特化した老舗旅館が「休館」に
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https://news.yahoo.co.jp/articles/89060d70609925f02b4cdec14db2bd0b0b3fe200
静岡県の浜名湖畔にある「舘山寺温泉」の宿泊施設の一部が、台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁に端を発する中国の日本への渡航自粛勧告の影響により、休業に追い込まれている。中国で人気が高い観光ルート上にある温泉街で、インバウンド(訪日外国人)需要を当て込み、中国に特化した営業をしてきた施設が直撃を受けた。コロナ禍の休業時と違って補償のあてもないだけに、施設側は日中関係の一日も早い改善を待ち望んでいる。
施設入り口に置かれた「休館」の掲示を前に、施設の総支配人の男性(64)は「コロナ禍を経て、ようやく軌道に乗り始めたのに」とため息をついた。中国の渡航自粛勧告が11月14日に出ると、その3日後から代理店からキャンセル連絡が相次ぎ、12月中に入っていた団体客90件(約3000人)分の予約はすべて消えた。
もともとは創業半世紀以上の老舗旅館。2019年に東京都内にあるホテル経営会社が買収、男性はこの旅館以外にも他地域で複数のホテルの支配人を務める。この旅館は、買収前からインバウンドの中国人限定で営業してきた。
旅館は、買収後約1年でコロナ禍により3年間休館に追い込まれた。今回は12月から休館している。14人のパート従業員全員が「休み」。社員は設備の修繕など施設内の管理業務をこなしている。
総支配人は「12月だけで1800万円以上の売り上げがなくなる。コロナ禍での休館時は国などから補助金があったが、今回はそうした補償はない。『タイやベトナムからのインバウンド客を』と営業をかけているが、簡単にはシフトできない」と話している。
温泉街を記者が歩くと、このほか湖岸に建つホテルの玄関にも休館を示す看板が立っていた。関係者によると、このホテルも宿泊客の多くは中国からのインバウンドだ。ホテル側は取材に、「休館理由などは答えられない」としている。
舘山寺温泉は、浜松市の浜名湖畔にある温泉街で、1200年以上の歴史がある舘山寺のほか、フラワーパーク、動物園、遊園地、遊覧船、ロープウエーなどのレジャー施設がある。舘山寺温泉観光協会によると、12宿泊施設が加盟。年間200万人以上が訪れ、宿泊客は24万人程度という。
東京と大阪の中間にあり、富士山にも近いことからインバウンドにも人気が高い。東京、富士山、京都、大阪を結ぶコースは中国人が好む「ゴールデンルート」とも呼ばれている。協会の中野雅晴専務理事は「中国人客が、宿泊だけでなく温泉街で飲食することもある。それだけに、渡航自粛が長引けば、影響はボディーブローのように飲食店などにも及びかねない」と懸念する。【照山哲史】
引用元: ・「1800万円の売り上げゼロに…」中国人観光客に特化した老舗旅館が「休館」に [662593167]
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