ミス・フィンランド「つり目」投稿がなぜ大騒動に?背景にある中国人への“複雑な思い”
北欧はポリコレ(政治的正しさ)の伝統が強く、ジェンダーやマイノリティに対する意識が高い。2015年にドイツのメルケル首相が移民受け入れ宣言をしたときも、それを受けていち早く移民受け入れに名乗りを上げ、受け入れにも積極的だった。
だが、現在ではヨーロッパ内の他国と同じように、移民政策に対する反感が徐々に強まっており、フィンランドにおいてフィン党の勢力が伸びているのもそのためである。
それでも、平等思想が根強いフィンランドでは「差別」はご法度で、人種・民族・宗教・性指向などに基づく扇動や差別的表現は刑法や差別禁止法で違法とされている。「レイシスト」と名指しされることは、かなりの屈辱になる。
フィンランドは文化的にロシアとスウェーデンの影響を受けており、とくにロシアとは過酷な歴史があるため反ロシア感情が根強い。したがって、平等思想の中でロシアは「例外的存在」といっていいだろう。
それに比べると、東アジアへの反感はそれほど聞かれず、むしろ日本文化が好きな人が多いことでも知られている。
私が2000年代に初めてフィンランドに行ったときは、駅のキオスクにフィンランド語に翻訳された日本の漫画が並び、若者が浜崎あゆみを聞いていた。国際的に人気になった「きゃりーぱみゅぱみゅ」の「PONPONPON」が海外で最初にヒットしたのはフィンランドだった。日本のサブカルチャーを積極的に受け入れてきた国の一つである。
では、そんな国のミス代表や政治家がなぜ東アジアへの差別意識を表すつり目画像や動画を平気で投稿したのだろうか。
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フィンランドは長らくEUにもロシアにも与しない「中立政策」をとってきたが、ウクライナ侵攻以降はNATOに加盟し、ロシアとの国境管理を強化してロシアを明確な仮想敵として定義し、ロシアに依存しないエネルギー政策へと転換している。
もはや「反ロシア政策」が安全保障の中心となっているフィンランドにおいて、ロシアが仮想敵であることは国民のコンセンサスだといってよい。したがって、いくらロシアを批判したところで問題になることはほとんどありえず、差別意識を示したところで問題にはなりにくい。
それに対して、中国に対する感情はかなり複雑である。
中国はロシアの経済・安全保障のパートナーであり、フィンランドにとって中国は「敵の味方」という意味で「敵」に分類しうる。さらに、ウイグル人問題やチベット問題など人権問題を抱えた強権国家として、人権意識の高いフィンランドにとってはすんなりと受け入れていい存在ではない。
フィンランドと中国の経済的な結びつきが強く、ロシアのような明確な仮想敵ではない。また、ロシアと違って「アジア人国家」であることから、ポリコレの意識の強いフィンランドでは表だって批判しにくい空気もある。
ただし、あくまで「批判しにくい」だけであって、反発心はあったのだろう。それが今回は表に出て問題が大きくなったわけである。
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● 「つり目ポーズ」騒動は 「ポリコレ疲れ」が生んだ反動か
また、フィンランド社会がいきすぎたポリコレに倦んでいる面があると考えられる。
フィンランドは北欧の中でも、人権や平等、差別表現に対する規範意識が極めて強く、一定の成果を上げてきた一方で、社会にどんよりとした息苦しさも生み出している。
意図よりも受け取られ方が重視され、一度「差別」と判断されると、手厳しい社会的制裁を受けることになる。また、基準があいまいであり、どこまでが許され、どこからが許されないのかが分かりにくい状況が続く中で、その反動から「あえて差別的なことを言う」「あえてタブーを破る」こと自体が政治的意味を持つようになっている。
中国や東アジアは、人権、文化、差別、表現の自由が複雑に絡み合うため、反ポリコレを可視化する象徴になりやすい。中国への表だった批判がやりにくいからこそ、反ポリコレを表現するためにあえてミス・フィンランド女性や政治家がそういったポーズをやった可能性がある。
全文はソースで
(評論家、翻訳家、千代田区議会議員 白川 司)
https://news.yahoo.co.jp/articles/dfd19645942141a3c0960a5860f72ccdde2b16c8?page=1
引用元: ・ミス・フィンランド「つり目」投稿がなぜ大騒動に?背景にある中国人への“複雑な思い” [12/25] [昆虫図鑑★]
顔見たらわかるじゃん
誰に言ってるかって
大国に挟まれた弱小国ならではのすげえコンプレックスがあるんだろうなと思う。
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