選挙演説の名を借りた大声の差別発言、許されるの?「選挙ヘイト」が再び激化 クルド人差別の埼玉・川口、モスク建設の神奈川・藤沢で起きていること【衆院選・緊急ルポ】 | NEWSjp
Published 2026/02/06 11:30:00
Updated 2026/02/01 20:59:40
政治活動を盾にしたヘイトスピーチが再び激化している。
在日クルド人への差別が深刻な埼玉県川口市では、2月1日投開票の市長選と8日投開票の衆院選で、候補者らによる排外主義をあおる街頭宣伝が繰り返されている。モスク(イスラム教礼拝所)の建設計画がある神奈川県藤沢市でも、モスク反対を主張する陣営の発言が激しさを増している。
選挙の街頭演説を理由に、根拠のない発言を繰り返すことが許されていいのだろうか。(共同通信ヘイト問題取材班)
▽JR川口駅前
人口約60万人の川口市の中心地、JR川口駅前には、入れ代わり立ち代わり、市長選と衆院選の候補者が街宣に訪れる。
市長選に入る前の1月18日の日曜午後、埼玉県戸田市議の河合悠祐氏はマイクを握り、こう叫んだ。
「クルド人の犯罪率は日本人の20倍」
一方で、河合氏はこの数字の根拠も出典も言わない。
取材班が調べた限り、クルド人に限った犯罪率が分かる公式な統計はない。警察庁の統計には国籍・地域別の検挙状況の数字はあるが、多くがトルコ国籍と考えられるクルド人は出てこない。発言はデマということになる。
河合氏は、衆院選でも争点にすると強調した。河合氏の政治団体「日本大和党」公認で川口市長選に立候補した男性は「外国人が優遇されている」とやはり根拠もなく主張した。
日の丸を振る支持者たちの周囲では、「差別をやめろ」「レイシスト帰れ」と演説をかき消すような声が聞こえる。差別に反対するカウンターと呼ばれる人々だ。
通りかかった解体業のパキスタン人の男性(56)は、じっと街宣に耳を傾けていたが、やがてあきれたように語った。
「悪い外国人はいるが、全員じゃない。悪い日本人だっている。外国人の悪口を言えば選挙に勝てるのか。ではなぜ沖縄の米兵の犯罪には言及しないのか」
▽ひき逃げの1例を出して
衆院選公示日翌日の1月28日午前には、衆院選の候補者が街宣に立った。参政党新人の菅野静華氏(37)だ。
「クルドの彼らが問題を起こしている。違反をして、ひき逃げする死亡事故もある」と述べた上で、「外国人の受け入れを規制していく」と訴えた。
確かに、昨年12月にひき逃げの疑いでトルコ国籍の男が逮捕されている。ただ、それを例示して「外国人の受け入れを規制していく」というのはどうなのだろう。埼玉県と県警の統計では、この10年間で外国籍住民は約12万人増えたが、刑法犯の外国人は年600人ほどで横ばいが続いている。
川口市の人口約60万人のうち外国人は約5万人。うち半数は中国籍で、クルド人を含むトルコ国籍者は1500人ほどと少数派だ。だが、2023年頃からクルド人が標的にされている。
▽「外国人問題」ではなく、日本人の問題
同じ1月28日の午後。川口市長選候補者の街宣で、排外主義を掲げる政治団体「日本党」の石浜哲信党首がこんな発言を繰り返した。
「犯罪者であるクルド人を仮放免にして、犯罪を犯してもかばっている」
これも根拠がよく分からない。具体的に誰の何の行為を指しているのか。
陣営の真っ正面に、たった1人で「選挙ヘイトを許さない」のプラカードを掲げ、立っている男性がいた。派遣社員の45歳で、仕事が終わると駆け付けているという。
「クルド人がターゲットにされている。差別に反対し、自分にできることをしたい」
川口駅前ではこうした街宣が連日のようにある。その様子が動画としてインターネットに投稿され、拡散されていく。それを見た人が、疑いも持たずに信じてしまったら…昨年夏の参院選で問題化した排外主義が、再び顕在化している。
クルド人支援団体「在日クルド人と共に」の温井立央代表理事が指摘する。
「選挙の争点に『外国人問題』が入ること自体がおかしい。日本社会の矛盾が外国人に向けられているだけで、日本人の問題だ」
(略)
引用元: ・選挙演説の名を借りた大声の差別発言、許されるの? 選挙ヘイトが再び激化 クルド人差別の川口、モスク建設の藤沢で起きていること [少考さん★]
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