
MarkeZine Day 2026 Springのセッションから、Qoo10と日本テレビが語ったTikTok活用のポイントを整理します。UGCを中心に据え、現場が自走できる体制と運用の内製化を進めることで、認知拡散を売上につなげる取り組みが見えてきました。
TikTokは短尺動画の拡散力が強く、消費者の発見行動や購入意欲に影響を与えやすいプラットフォームです。一方で「どのような取り組みが成果につながるか」が企業側で見えにくく、試行錯誤が続いています。セッションではオプトの野嶋友博氏がモデレーターを務め、Qoo10のモラーノ絢香氏と日本テレビの栗原甚氏が、UGCを生む仕掛けと内製化の実務経験を語りました。
注目点は大きく二つ。ひとつはプラットフォーム特性を活かした“UGCを誘発する設計”。もうひとつは、複数アカウントを現場で自走させるための組織とワークフローの整備です。どちらもクリエイターや配信者が直面する“スケールするコンテンツ制作”の課題に響く話でした。
UGCを生む“仕掛け”の考え方
セッションでは、商品の魅力をそのまま見せる一方向の広告ではなく、ユーザーが参加・真似したくなるフォーマット作りが重要だと示されました。具体的には短く真似しやすいチャレンジ、生活シーンに自然に溶け込む使い方提示、ハッシュタグ導線の整備などです。これらはアルゴリズム上の拡散ポテンシャルを高めるだけでなく、クリエイター側の二次創作を促す仕掛けでもあります。
プラットフォームが求める“らしさ”を押さえつつ、ブランドの要素を崩しすぎないバランス感が鍵です。広告主側が型を提示し、UGCと公式コンテンツが相互に増幅する構図を作ると、短期の認知拡大と中長期の購買につながりやすいと報告されています。
内製化で200以上のアカウントを回す現場運用
日本テレビとQoo10の取り組みでは、外注頼みにならない“現場が動ける体制”づくりが強調されました。具体的にはクリエイティブのテンプレ化、投稿ガイドライン、KPIの共通化、現場担当者への権限委譲といった仕組みで、複数アカウントを継続的に運用しています。これによりスピード感を保ちながらローカルなインサイトを素早く反映できる点が利点です。
ただし内製化は人材育成や評価指標の整備、プラットフォーム仕様変更への対応力が求められます。クリエイターや配信者側も、企業のこうした仕組みに参加する形でコラボする機会が増える可能性があり、報酬設計や制作負荷の調整が今後の課題として残る印象です。
