パスポート発行も認められず…母国追われたバングラデシュ男性「日本で生きていきたい」、市民のサポートも広がる
パスポート発行も認められず…母国追われたバングラデシュ男性「日本で生きていきたい」、市民のサポートも広がる
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2025年02月22日 09時04分
静岡県磐田市に「難民を支援する会」という市在住者を中心とする市民で結成されたグループがある。会員数は55人で、こういう団体としては比較的規模が大きい。
磐田といえば、サッカーJ2のジュビロ磐田で知られており、日系ブラジル人が多く暮らしている土地でもある。
この会の新年会が2月1日、JR磐田駅近くの公民館で開かれた。参加者で「故郷」を歌ったり、輪投げゲームで競ったりして交流を深めていた。
支援されているのは、バングラデシュ出身のスジャンさんという男性。41歳というには見た目は若く、物腰も柔らかい穏やかな人柄だった。(ライター・織田朝日)
●弾圧されていた「仏教徒」の一家で生まれた
スジャンさんによると、1983年9月23日、ミャンマーのアラカン市で生まれて、バングラデシュで育った。母がミャンマー人で、父はバングラデシュの丘陵地帯に住む少数民族・仏教徒のチャクマ族だった。
バングラデシュでは、仏教徒に対する弾圧が激しく、一般人の死傷者も多く出ていた。
スジャンさんが13歳のとき、目の前で父が殺されて、母はスジャンさんを連れて命からがら逃げ延びた。別の県にいる父の友人の家で世話になり、学校も通わせてもらうことになった。
「チャクマ族は優しい人ばかり。単に文化や自由を守りたかった。だけどモスクや家が焼かれた」とスジャンさんは悲しそうに続けた。
学校に通いながら、反政府組織に参加するようになり、次第に学生グループのリーダーとして地位が高くなっていった。同時に警察に目を付けられるようになり、無実の罪で逮捕されてしまった。
刑務所の中では、毎日のように殴られ、それが3カ月も続いて「もう死ぬかもしれない」と絶望したときにやっと解放された。
●反政府活動からはなれているときに逮捕状が出てしまった
スジャンさんは、母に看病されながら1年ほど療養し、反政府活動もせずに、静かに過ごしていた。
そんなとき、市場で大きなケンカが発生。関係ないのに首謀者の一人として逮捕状まで出たほか、地元の新聞にも顔写真が掲載された。
このままでは、竹でできた小さな家だけではなく、息子まで殺されてしまう――。そう心配した母が、反政府組織の人と話し合って、スジャンさんを国外に逃がすことにした。
組織の人がブローカーに頼んで偽装パスポートを作り、近隣国を渡った。途中で出会った僧侶が「日本は仏教徒の国だから安全ではないだろうか」とアドバイスし、2007年12月、日本にたどり着いた。
●バングラデシュ人と認められず「パスポート」もらえなかった
すぐに難民申請をしたかったが、やり方がわからなかった。知り合ったバングラデシュ人の家で世話になっていたが、来日4カ月目に、入管の家宅捜索が入り、在留資格がないことで全員、東京入管に収容された。ここで初めて難民申請ができることを知り、収容3日目で申請。1カ月半で「仮放免」になった。
一緒に収容された人たちはみんな強制送還されたのに、スジャンさんだけはされなかった。もしバングラデシュに帰国させられていたら、殺されていた可能性があるので、この点については、今でも入管に感謝しているという。
2016年12月、仮放免が更新されず、ふたたび東京入管に収容となった。
今度こそ、いつ出られるかわからないと悩んだ末、ついに帰国を決心。入管職員に「バングラデシュに帰ったらすぐ別の国に逃げなければ殺されてしまうから、一回きりではないパスポートが必要なのです」と頼んだ。
その職員は当初「できる」と言ってくれたという。しかし、数日して「バングラデシュ大使館に連絡をしたら、スジャンさんをバングラデシュ人と認めないので、パスポートは作らない」と拒否されたと教えられた。
帰国もできず、どうしたらいいのか、何度も問いかけたが、好意的だった職員もだんだんとスジャンさんを避けるようになった。そうしているうちに解放された。収容期間は1年だった。
●磐田市で日本人の友人が増えていった
2019年、インド人の友人の世話になるため、磐田市に引っ越すことにした。東京の知り合いが、磐田市の市会議員を紹介してくれ、その議員がさらにいろいろな人に(略)
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引用元: ・パスポート発行も認められず…母国追われたバングラデシュ男性「日本で生きていきたい」、市民のサポートも広がる [少考さん★]
帰れ
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