【福岡】「1から10まで覚えていない」「逆にハラスメントを受けている」ハラスメント認定市議抗議内容

同僚の市議に対してハラスメント行為をしたとして議会から文書による注意を受けた福岡県筑紫野市議会の議員（77）。

4日、「雑談とか冗談の中で出てきたことを取り上げて、逆にいじめだ」「弁護士に相談する」などと抗議しました。

■市議会が認定したハラスメント発言

筑紫野市の田中允市議は、1991年に初当選し、現在は9期目の77歳です。

2003年から2005年までは議長を務めたベテラン議員。

市議3人から提出されたハラスメントに関する苦情申立書と市議会が公表した認定結果によりますと、田中市議は、2022年6月、子供の自殺対策について職員らと打ち合わせていた市議に、「お前が飛び降りて代わりに見本をみせたらいいとたい」と発言。

2022年10月、研修会への移動中のバス車内で、男性市議に「あんたは結婚していないんだから、少子化対策の話やらしたらいかんばい」と発言。

さらに隣にいた女性市議には「あんたは欠陥品。子供を産めない女は欠陥」と発言したということです。

さらに、ある女性市議に対しては、セクハラ行為がたびたびあったということです。

2023年9月には女性市議の腰・肩・頭を6回触り、女性市議から注意されると「ごめん」と言った後に「もっと触りたい」とささやいたということです。

セクハラ行為を目撃し、注意した男性市議には、「何、見とうとや、ああ」と詰め寄ったり、「うるさい。お前ぶっ殺すぞ」と激高したりしたこともあったということです。

田中市議は市議会の調査に対し、ほとんどが「記憶にない」と回答したということです。

■12件を認定し市議を文書注意

筑紫野市議会は去年11月、12件のハラスメント行為を認定し、文書による注意を行っていたことが明らかになりました。

筑紫野市議会のハラスメント防止条例では「氏名公表」が最高レベルの処分ですが、「注意」にとどめられていて、名前は公表されていませんでした。

■「逆にいじめだ」と抗議

筑紫野市　田中允 市議
「誤解を与えることは悪いと思いますよ。もし誤解を与えたのならね。政策でしょ、考え方ですよ。発言の自由でしょ。雑談とか冗談の中で出てきたことを取り上げて、私は逆にいじめだと思っています。3年前のことをそれまで放っておいてさ、弱いものいじめじゃないか」

4日、急遽開かれた議員全員協議会には田中市議も出席し、議長らが調査のいきさつや処分の理由などについて説明したということです。ある市議によりますと、「田中市議は、ハラスメント研修会を欠席したり、LGBTQの勉強会で居眠りしていたこともあった」「去年3月に、筑紫野市議会ハラスメント防止条例ができたのは田中市議の行為がひどいことがきっかけ。今回出ているのは氷山の一角」だとしています。

■田中允 市議と記者とのやりとり

筑紫野市　田中允 市議
「2年前、3年前、それを今頃上げてきてさ、弱いものいじめじゃないか、逆に私がハラスメントを受けるんじゃないかなと思っています。2年前のことで。」

記者）ハラスメント条例ができる前の話であればハラスメントではない?
筑紫野市　田中允 市議
「そうじゃなくてね。雑談の中の話を1から10まで覚えてませんよ。」

記者）女性は子供を産めなかったら欠陥人間という発言は?
筑紫野市　田中允 市議
「そういうことは言ってない。私もちょっと記憶ないんですよ。

記者）普段からそういう発言を多々していらっしゃるから覚えてらっしゃらないんじゃないか?
筑紫野市　田中允 市議
「いいえ、違います。そういう失礼なことを言うたらね、あなたね、人権無視ですよ、それこそ。今後、謙虚に学んで、反省して学んでいけば、私自身もまた成長するかなと思います。80の手習いじゃないですけど。」

田中市議は進退について「最後は市民が判断すること」としています。