108歳で現役の女性理容師がギネス世界記録に　ハサミ握り94年　栃木・那珂川町

　栃木県に住む108歳の女性が「世界最高齢の女性現役理容師」として、ギネス世界記録に認定されました。理容の道に入り94年、壮絶な半生を明かしました。

■東京オリンピック聖火ランナーも経験
ギネス世界記録に認定

ギネス認定員
「おめでとうございます」
箱石シツイさん（108）
　髪を切るのは、箱石シツイさん（108）。5日にギネス世界記録に認定された“世界最高齢の女性現役理容師”です。

長男　英政さん（81）
「（このハサミは）メガネバサミっていって」
　シツイさんの相棒は、94年もの間握り続けた「メガネバサミ」です。

94年握り続けたハサミ
シツイさん
「女性には無理っていわれて、それでも使い通したの。男性に負けないように。これができないの普通の人は。男性でも。私はこれ使ってたの。（珍しくて）有名だったの」
メガネバサミ
　指に負担が大きいメガネバサミは、自ら研いで小さくなるまで使い続けているといいます。

28歳　理容室開業
　栃木県で生まれ14歳で上京し理容の道へ。22歳で結婚し東京・新宿区に店を構えました。

　しかし、開業から1年も経たず東京で空襲が始まり、子ども2人を連れて栃木に疎開しました。

長男　英政さん

長男　英政さん
「結局（シツイさんの）父も母も相次いで亡くなっちゃって。そこへ戦争8年経って（シツイさんの夫の）戦死公報が来たんです。一家心中を試みるんですが『僕は死ぬのが嫌だ』と言って」
　夫と両親を亡くし、一家での心中も意識したシツイさん。子どもたちに支えられ新たに店を構えました。

　去年の誕生日には、常連客が大きな花束をプレゼント。

シツイさん
「すてきね。きれいだね。こうして集まっていただいてね、幸せです。ありがとうございます」
東京オリンピックの聖火ランナーも務める
　毎朝の体操で足腰を鍛えるシツイさん。104歳で東京オリンピックの聖火ランナーも務めました。

シツイさん
「両親が丈夫に産んでくれたことに感謝しています。（今年）109歳ですから、110歳まで頑張りたいと思います」

（「グッド！モーニング」2025年3月6日放送分より）