【研究】113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎」が最新研究で明らかに
【研究】113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎」が最新研究で明らかに
1912年に初めて理論として提唱されたこの謎の遺伝子的カギが、日本とアメリカの科学者チームがそれぞれ昨年11月に公表した研究によって、ついに特定された。
独立した2つの研究はオレンジの毛色に関わる遺伝子、通称「オレンジ遺伝子」の正体を突き止めた。ARHGAP36だ。この発見は113年前の仮説を証明するだけでなく、色素に関する新たな生物学的経路を明らかにしている。
1912年、アメリカの遺伝学者クラレンス・クック・リトル(C. C. Little)は、猫の毛色の遺伝をX染色体と結び付ける画期的な説を提唱した。
リトルの仮説によれば、オレンジの毛色を決めるのはX染色体にある遺伝子の変異だ。茶トラ猫がほぼオスばかりで、サビ猫がほとんどメスなのは、これによって説明がつく。
つまり、性染色体がXYのオスの場合、毛色はオレンジ色になるか、ならないかの2択しかない。一方、性染色体がXXのメスは、それぞれのX染色体の遺伝子を受け継ぐ可能性があり、サビ模様になる。
2つのX染色体に「オレンジ遺伝子」が必要なため、茶トラのメス猫は比較的まれにしか生まれないという。
「オスのサビ猫や三毛猫は時に存在するが、その原因は通常、不妊を引き起こすX染色体の過剰など、性染色体数の異常だ」。シドニー大学とミズーリ大学コロンビア校の科学者らは学術系ウェブサイト、ザ・カンバセーション(The Conversation)でそう解説している。
その肝心のオレンジ遺伝子がARHGAP36だと、ようやく判明したわけだ。
日米の研究によれば、ARHGAP36の欠失という変異が、関連タンパク質の毛包発育期の働きに作用する。
ARHGAP36はオレンジ色の部分で活発な活動を続ける一方、非オレンジ色の部分ではおおむねオフ状態になる。欠失変異は問題のタンパク質を変化させないが、活動部位に大きな影響を与え、あのオレンジ色を発現させるという。
「毛色を研究すれば、細胞間の情報伝達について学ぶことができる。色素の明るさや暗さを決める色素細胞の作用は、近接する細胞が送る信号に影響されているからだ」。
アメリカ側の研究の筆頭筆者で、スタンフォード大学の遺伝学者クリストファー・ケーリン(Christopher Kaelin)は本誌にそう語る。
共同執筆者であるスタンフォード大学の遺伝学者、ケリー・マゴーワン(Kelly McGowan)に言わせれば、猫は特殊なケースで、研究対象として価値が大きい。
「犬や羊、牛、馬、ウサギなど、多くの家畜にオレンジ系の色をした種類が存在する。これは、2つの遺伝子のうち1つの変異によるものだ」と、マゴーワンは語る。
「こうした法則の興味深い例外が茶トラ猫で、変異が性別と結び付いている。茶トラ猫は、いわば遺伝学的ユニコーンだ」
マゴーワンによれば、それだけではない。
「研究が示すように、猫のオレンジ色を発現させる変異は、色素細胞の内部だけで特定の遺伝子のスイッチを入れる。その他の細胞型は影響を受けないようだ。ある数年前の研究によると、ヒトの場合は同じ遺伝子が他の細胞型で活性化すると、極めて深刻な疾患を引き起こし、患者の軟部組織(筋肉や腱、靭帯)は徐々に骨化してしまう」(以下ソースで
3/13(木) 18:10配信 ニューズウィーク日本版
https://news.yahoo.co.jp/articles/db097216f25eb6ac3a7fe9ec3d87e7e30a754743
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https://news.yahoo.co.jp/articles/db097216f25eb6ac3a7fe9ec3d87e7e30a754743/images/000
引用元: ・【研究】113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎」が最新研究で明らかに [シャチ★]
茶トラは野良では目立つしハードモードなんだろうか
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