過去最大規模の「戦争画」展覧会なのに…なぜか宣伝ほぼゼロで開催 東京国立近代美術館に意図を聞いてみると:東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/435853
2025年9月15日 06時00分 有料会員限定記事
東京国立近代美術館(東京都千代田区)が、現在開催中の展覧会で宣伝をほぼしないという異例の対応を取っている。展示の中心となるのは、戦時中に旧日本軍の委嘱などにより描かれた「戦争画」。これまで公開の機会が限られ、まとまって展示される機会は貴重なはずだがなぜか。経緯を追った。(太田理英子)
◆ちらしもポスターも図録もつくらず
8月末、「こちら特報部」は展示会場を訪れた。
マレー半島の浜辺を這(は)って敵陣の鉄条網を突破しようとする日本兵らを描いた「コタ・バル」(中村研一、1942年)や、日本軍守備隊が全滅した戦いを死闘図として描いた「アッツ島玉砕」(藤田嗣治、1943年)。激しい戦闘や果敢な日本兵の姿を題材にした大型絵画の数々が目を引く。戦時中、戦意高揚や戦争の記録のためにつくられた戦争画だ。東京国立近代美術館が管理する153点の戦争画のうち、過去最大規模となる延べ24点が10月26日まで公開される。
当時のポスターや出版物などをそろえ、メディア環境も再現する。戦後の美術作品や、市民が被爆体験を描いた絵画も並ぶ。東京国立近代美術館は戦後80年を節目に、「美術が戦争をどのように伝えてきたかを検証する」企画だと説明するが――。
実は今回、東京国立近代美術館は展覧会のちらしやポスターを作っていない。開催を知る方法は、同美術館のウェブサイトやメディアの記事に限られる。図録も作成されていない。
さらに不思議なのは展覧会のタイトル。「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」と、戦争との関連性がわからない。会場のあいさつ文では「戦争体験を持たない世代がどのように過去に向き合うことができるかが問われている」と掲げるが、なぜ目立たない形で開催するのか。
◆「センセーショナルな宣伝をしたくない」と繰り返す
東京国立近代美術館側に意図を尋ねると、繰り返したのは「センセーショナルな宣伝をしたくなかった」との言葉だった。広報担当者は「美術館は歴史認識を問う立場ではなく、展示で戦争を扱うときはより丁寧な説明が必要。展示の文脈の意図と異なる切り取られ方をし、言葉が独り歩きすることは避けないといけない」と話す。
当初は企業などとの共催を検討したが、集客のため「キャッチーな宣伝文句」を使われる恐れがあるとし、館単独で開催する自主展を選択したと説明。予算が限られ、他館からの作品輸送費などを優先し、ちらしや図録制作を断念したという。
だが、実際に会場に足を運ぶと、幅広い年齢層の美術ファンや外国人旅行客で混雑し、「通常の自主展より多い」(広報担当者)というほど盛況。来場者に感想を聞いた。
◆「アジア諸国への加害にも踏み込み、深い内容」と来場者
新聞記事で展示を知った大田区のパート女性(64)は「タイトルを見て地味な内容かと思っていたら、貴重な作品ばかり。こんなに迫力と見応えがあるのに、宣伝されないのはもったいない」と残念がる。「当時の人が戦争画に引き込まれた気持ちは分かる気がする」…
残り 1862/3109 文字
引用元: ・過去最大規模の「戦争画」展覧会なのに…なぜか宣伝ほぼゼロで開催 東京国立近代美術館に意図を聞いてみると:東京新聞 [少考さん★]
The post 過去最大規模の「戦争画」展覧会なのに…なぜか宣伝ほぼゼロで開催 東京国立近代美術館に意図を聞いてみると:東京新聞 first appeared on TweeterBreakingNews-ツイッ速!.

