
2024年の選挙以降、SNS上の政治発信がこれまで以上に注目を集めています。Natureに掲載された研究は、意図的に作った「sock puppet」アカウントを使って各プラットフォームのフィードを比較し、ある種の経路や推奨が他よりも分極化を助長する傾向を示したと報告されています(出典:Tubefilter)。
近年、政治的メッセージがインフルエンサーや一般ユーザー経由で拡散される場面が増え、2024年は「インフルエンサー選挙」とも呼ばれました。こうした状況を踏まえ、研究者らは異なる種類のダミーアカウントを用いて、各SNSの推薦アルゴリズムやタイムラインの性質を検証しました(出典:https://www.tubefilter.com/2026/05/06/social-media-tiktok-study-political-feeds/)。
重要なのは単に“分極化が存在する”という点だけでなく、どのような操作や経路でユーザーが偏った情報に到達しやすいかが異なる点です。これは配信者やプラットフォーム運営、広告主にも影響を及ぼします。
研究の概要と背景
報告によれば、研究者は複数の擬似アカウント(いわゆる“sock puppet”)を設定し、同一の初期条件から各プラットフォームのおすすめやタイムラインの挙動を観察しました。結果は一様ではなく、プラットフォームやアカウント行動によって露出される政治的内容の度合いに差が出たとされています。
この検証は、2024年の選挙で見られたインフルエンサーの政治発信が持つ拡散力を踏まえ、アルゴリズムがどの程度影響を与えているかを明らかにする試みでもあります。
フィードごとの違いが示すもの
研究は“ある経路ではより偏った情報が強化されやすい”という点を示唆しています。例えばフォローや視聴の履歴、エンゲージメント傾向が推薦に反映される仕組みは、ユーザーを同質的な情報空間に閉じ込める可能性があります。
ただし、どのプラットフォームが最も分極化しやすいかは一概にはいえません。推奨モデルやコンテンツの性質、ユーザー行動の違いが複合的に影響するため、プラットフォーム間での比較は慎重に受け取る必要があります。
クリエイターとプラットフォームへの示唆
配信者にとっては、視聴者層の偏りやアルゴリズムの傾向を理解することが重要です。政治的話題を扱う際は、想定外の拡散や収益化ポリシーへの影響、広告主の反応なども念頭に置くべきでしょう。
プラットフォーム側は、推奨の透明性や多様な視点への誘導、悪用対策を強化する必要があります。研究は具体的な解決案を示すものではありませんが、運営・クリエイター双方にとってアルゴリズムの挙動が実務に直結する問題であることを改めて示しています。
