
MarkeZine Day 2026 Springでのパネルでは、長年SNS運用に取り組んできたANAホールディングスと講談社・VOCE編集部が、SNSを単なる露出チャネルに留めず事業成果につなげるための運用設計と評価軸について語りました。運用の実務だけでなく、社内での位置付けや測定の考え方が注目を集めています。
多くの企業がSNSを重要施策に据える中で悩むのが「何をもって成功とするか」です。パネルでは、短期的なエンゲージメント指標と並行して、ブランド価値や購買行動、CRMへの接続といった中長期の事業指標をどう繋げるかが議題になりました。単純なKPIの積算にとどまらない評価設計が、持続的な成長を支えるという点が強調されています。
また、運用面ではプラットフォーム特性に即したコンテンツ設計や、社内横断のガバナンス、リソース配分の重要性も指摘されました。専門部署だけで完結させず、販売・商品企画・カスタマーサービスとどう連携するかを明確にすることで、SNS活動が事業貢献につながりやすくなります。
評価軸を戦略に紐づける
登壇者は、いいね・再生といった定量指標だけでなく、ビジネス成果に直結する指標の設定を繰り返し説明しました。具体的にはWeb流入やコンバージョン、会員登録といった行動指標を評価軸に取り入れることで、SNS投資の費用対効果を社内合意に基づき示しやすくなるという話です。
こうした評価設計は一度作れば終わりではなく、キャンペーンやプラットフォームの変化に合わせて見直す必要があります。そのためにABテストやクリエイティブの定量的な比較といった“実験の仕組み”も運用に組み込むことが提案されました。
運用設計と組織連携の実務
VOCE編集部とANAの事例からは、編集方針やブランドガイドラインを運用に落とし込む重要性がうかがえます。コンテンツの一貫性を保ちつつ、プラットフォーム特性に応じて表現やフォーマットを変える運用が、ファンの信頼と長期的なブランド価値に寄与するとのことです。
また、社内の関係部署とKPIを共有し、成果がどこで生まれているかを可視化することで、SNS活動が単なる広報施策に留まらず事業部門の意思決定に貢献できるようになります。社内説得のための定量データ整備も重要なポイントです。
注目点と実務への応用
今回の議論で目立ったのは“攻めと挑戦”を許容する運用文化の必要性です。短期的に目立つ施策だけでなく、小さな実験を積み重ねて学びを得る姿勢が、プラットフォーム変化に対応する力を高めるとされています。
最後に、最新の示唆を実務に落とすには、KPIの再定義、データパイプラインの整備、関係部署との定期的なレビューが鍵になるでしょう。詳細はセッションをまとめた記事で確認できます(出典: MarkeZine https://markezine.jp/article/detail/50600)。
